『ボディガード』だけじゃない!ホイットニー・ヒューストンの全出演映画を振り返る

コラム

『ボディガード』だけじゃない!ホイットニー・ヒューストンの全出演映画を振り返る

名優と共演した『天使の贈り物』では、“原点”のゴスペルを披露

『ビッグ』(88)や『プリティ・リーグ』(92)などの傑作を手掛けたペニー・マーシャル監督がメガホンをとり、デンゼル・ワシントンが共演した『天使の贈り物』(96)は、これからやってくるクリスマスシーズンにピッタリなロマンティックで心温まるラブストーリー。老朽化した教会の牧師を救うため、天国から舞い降りてきた天使の男が、すばらしい歌声の持ち主である牧師の妻に恋をしてしまうという物語だ。

クリスマスシーズンにぴったりな『天使の贈り物』
クリスマスシーズンにぴったりな『天使の贈り物』[c]Everett Collection/AFLO

ホイットニーが歌うメイン楽曲の「アイ・ビリーヴ・イン・ユー・アンド・ミー/ I Believe in You And Me」をはじめ、サウンドトラック盤はほとんどホイットニーの歌う楽曲で構成されている。また、ポップスで数々の名曲を送りだしてきたホイットニーが、自身の原点であるゴスペルを披露していることでも話題を集めた。

16年ぶりの映画出演で、気鋭シンガーとコラボ!遺作となった日本未公開作

その後しばらく映画出演がなかったホイットニー。アン・ハサウェイの映画デビュー作となった『プリティ・プリンセス』(01)とその続編で製作を務めるなど、活動の場を広げていた彼女がスクリーンにカムバックしたのは『ホイットニー・ヒューストン/スパークル』(12)。実に前回の映画出演から16年ぶりとなり、日本では劇場未公開のままソフトリリースされた本作は、“女優ホイットニー・ヒューストン”の最後の作品となった。

16年ぶりの出演作にして遺作となった『ホイットニー・ヒューストン/スパークル』
16年ぶりの出演作にして遺作となった『ホイットニー・ヒューストン/スパークル』[c]Everett Collection/AFLO

アイリーン・キャラが主演を務めた同名映画をリメイクした本作は、スターを目指す3人姉妹とその母の絆を描いた感動のミュージカル。人気シンガーのジョーダン・スパークスと「ファンタスティック・ビースト」シリーズのカルメン・イジョゴ、「ソニック・ザ・ムービー」シリーズのティカ・サンプターが3人姉妹を演じ、ホイットニーは彼女たちの母で元歌手であるエマ役を演じている。

劇中では貫禄たっぷりの演技と共に、ゴスペルのスタンダードナンバー「ヒズ・アイ・イズ・オン・ザ・スパロウ/ His Eye is on the Sparrow」を歌うホイットニーの姿を見ることができる。また、スパークスと共に歌い上げる「Celebrate」も必聴!

名曲誕生の瞬間と、ホイットニーの栄光の半生を映画で味わう!

ホイットニーの栄光の半生を描き出した『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』
ホイットニーの栄光の半生を描き出した『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』


そして『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』では、ホイットニーと、彼女の才能を見出した音楽プロデューサーのクライヴ・デイヴィスが世に送り出した、ジャンルも人種も超えた“グレイテストソング”誕生の瞬間や、ホイットニーの栄光の半生が数々のヒットソングと共に臨場感たっぷりに描かれていく。

ホイットニー役を演じるのは『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(17)のナオミ・アッキー。クライヴ役を『プラダを着た悪魔』(06)などで知られるスタンリー・トゥッチが演じ、ボビー・ブラウン役には『ムーンライト』(16)のアシュトン・サンダース。『ボヘミアン・ラプソディ』(18)の脚本家アンソニー・マクカーテンが脚本を手掛け、『ハリエット』(19)のケイシー・レモンズ監督がメガホンをとった。

劇中には映画のタイトルのも採用されているダンスナンバーの「素敵なSOMEBODY/ I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」をはじめ、「オールウェイズ・ラブ・ユー/ I Will Always Love You」や「Greatest Love Of All」など、ホイットニーを代表する様々な楽曲の数々が登場し、改めてその魅力を再確認できることだろう。

是非とも高品質の音響で味わえる映画館に足を運び、不朽の名曲の数々を全身で体感してほしい!

文/久保田 和馬

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