宮崎駿監督最新作『君たちはどう生きるか』は来年7月14日公開!「夏休み公開は期待の表れ」

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宮崎駿監督最新作『君たちはどう生きるか』は来年7月14日公開!「夏休み公開は期待の表れ」

「2023年東宝配給作品ラインナップ発表会見」が12月13日にTOHOシネマズ日比谷で開催され、同社が今年の傾向や来年のラインナップを発表。スタジオジブリ製作、宮崎駿監督最新作『君たちはどう生きるか』の公開が2023年7月14日となることや、同作にかける期待について明かされた。

「2023年東宝配給作品ラインナップ発表会見」が行われた
「2023年東宝配給作品ラインナップ発表会見」が行われた

東宝の取締役・専務執行役員の市川南は「今年の邦画・洋画をあわせた、業界全体の年間興行収入は、2100億円前後となる見込みです」と口火を切り、「そのなかで東宝は23作品を配給し、興行収入は630億円前後を見込んでいます」と報告。「500億円超えは19年連続、600億円超えは11年連続ということになります。コロナ禍の影響が残るなかでは、まずまずの1年だったと思います」と好成績を残すことができたという。また今年の東宝作品におけるアニメーションと実写の比率については、「53パーセントがアニメ、47パーセントが実写」だと話した。

『けいおん!』や『聲の形』『リズと青い鳥』の山田尚子監督最新作『きみの色』が登場!
『けいおん!』や『聲の形』『リズと青い鳥』の山田尚子監督最新作『きみの色』が登場![c]2023「きみの色」製作委員会

そして来年のラインナップについて、市川は「特色は大きく4つある」とコメント。「1つ目はオリジナルアニメーションの充実」とあげ、『君たちはどう生きるか』(2023年7月14日)、山田尚子監督最新作『きみの色』(2023年秋公開)の公開が控える。2つ目の特色は「シリーズアニメーションの安定」。市川が「いよいよ大台を目指す」と100億円突破を目標に掲げた『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(2023年4月14日公開)や、『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』(2023年3月3日公開)、『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~』(2023年夏公開)、「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」(2023年2月3日公開)などがお披露目となる予定だ。


『ゴジラ』最新作は「山崎監督の集大成」
『ゴジラ』最新作は「山崎監督の集大成」[c]2023 TOHO CO.,LTD.

3つ目の特色は、「自社制作」とのこと。市川は「バラエティに富んだ自社制作作品。山崎貴監督に『ゴジラ』の最新作を撮ってもらう」と語り、こちらは2023年11月3日公開予定。さらに是枝裕和監督と脚本の坂元裕二がタッグを組んだ『怪物』(2023年6月2日公開)にも期待がかかる。4つ目の特色は「引き続き、力強いテレビ局の作品」だという。竹野内豊主演の『イチケイのカラス』(2023年1月13日公開)、山崎賢人主演の『キングダム3(仮)』(2023年夏公開)、菅田将暉主演の『ミステリと言う勿れ』(2023年秋公開)、鈴木亮平主演の『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2023年4月28日公開)、『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』(2023年6月16日公開)など、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日の「渾身の作品がそろった」と語る。豊富なラインナップが並び、市川は「東宝配給の新記録を狙う1年にしたい」と力を込めていた。

来年のラインナップのなかでもとりわけ注目を集めているのが、宮崎駿監督が引退宣言を撤回して挑む、『風立ちぬ』(13)から10年ぶりとなる最新作『君たちはどう生きるか』。映画調整部長の上田太地は、披露された作品画像について「宮崎駿監督の直筆のキャラクターだと伺っています」と明かし、「ストーリーの詳細はまだ聞かされていません。吉野源三郎の原作小説とタイトルは同じですが、タイトルのみが同じで内容は異なる、宮崎駿さんのオリジナルストーリーと伺っています」と紹介した。

【写真を見る】宮崎駿監督が引退宣言を撤回して最新作に挑む
【写真を見る】宮崎駿監督が引退宣言を撤回して最新作に挑む[c]2023 Studio Ghibli

同作について、市川は「いつもは、ジブリさんの作品は途中のものを都度都度、観させていただくんですが、今回はまったく拝見せずに今日に至っております」と正直に吐露。「夏休みに公開するというのは、我々の期待の表れです。1年のなかで一番多くのお客様に集まっていただきやすい、夏のど真ん中で公開させていただく。自ずと興行収入は少しでも上げられるように、老若男女あらゆる世代に向けて配給活動をさせていただく」と意気込んだ。記者からも同作について質問が集中したが、「どれくらいできているのか?」と問われると、「あまりわからない」と苦笑い。「2017年から5年間ずっと作り続けている超大作であることには間違いない。吉野さんの本は原作ではなく、タイトルをお借りしているそうです。なんらかの形で本編にも出てくるのでは。プロデューサーの鈴木敏夫さんの話を伺っていると、若々しいファンタジー作品になるのではという予感があります」と現状わかる範囲での情報を絞りだし、「宮崎監督が原作を読んで感動し、インスパイアされて、新たなオリジナルストーリーを生みだした」と説明していた。

『ゴジラ』最新作も話題を集めているが、映画企画部長の臼井央は、「監督、脚本、VFXは山崎貴さん。この20年、東宝作品を支え続けてくれた山崎さんに『ゴジラ』を託します。ラッシュを拝見しましたが、これぞ山崎貴のゴジラ。山崎組のこれまでの経験、技術のすべてを『ゴジラ』に注ぎ込んでいただいている。山崎監督の集大成となることを確信した」と熱っぽくアピールしていた。

取材・文/成田おり枝

※宮崎駿監督の崎はたつさき

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