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『エイリアン2』の時とジェームズ・キャメロン監督は別人のよう?シガーニー・ウィーバーが明かすその要因とは

インタビュー

『エイリアン2』の時とジェームズ・キャメロン監督は別人のよう?シガーニー・ウィーバーが明かすその要因とは

「キリの仕草や表情、あの演技のすべてが、本当に私のもの」

――ウィーバーさんにとっては2度目のパフォーマンス・キャプチャーですが、前作から13年経って、その進化は感じましたか?

「スクリーンに映っているキリの仕草や表情、あの演技のすべてが、本当に私のものなんです。顔の形はもちろん、小さな表情の変化さえも取り込んでいるので驚くばかりです。前作の私は、一部だけパフォーマンス・キャプチャーで、残りは素顔で演じていましたが、素顔が出ているとか出てないとか、もはやなにも関係ないという感じ(笑)。本当にすごいと思いました」

――キリは水中に潜るシーンも多いため、ウィーバーさんが実際に潜って演技したと聞いています。それはどんな体験でしたか?

水中での繊細な演技も目を奪われる
水中での繊細な演技も目を奪われる[c] 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

「撮影に入る9か月くらいまえからトレーニングをしました。7フィート(約2m)くらいの波を作ることができる巨大なタンクで練習するんです。ダイバーたちが水中の生き物役として潜ってくれたので興奮しましたね。怖くて心拍数が上がることもあったので、早めに現場に入って呼吸を整えていました。

もう一つ、大変だったのは、ナヴィは水中で空気を出さないという設定です。空気は全部、自分の体内に溜めておくんです。だから私たちも空気を出さないようにしなくちゃいけないわけで、そう簡単なことではなかった。でも、トレーニングのおかげもあって、最終的には6分間も水中で息を止められるようになっていたんです」

「ハッピーな家族がジェームズ・キャメロン監督を変えた」

――ウィーバーさんとキャメロン監督は『エイリアン2』からの長い付き合いになります。キャメロン監督のどういうところをリスペクトしていますか?そして、私たちの知らない、彼の意外な一面があれば教えてください。

【写真を見る】優しく微笑むシガーニー・ウィーバー、長年の仲間ジェームズ・キャメロン監督の意外な一面を明かす
【写真を見る】優しく微笑むシガーニー・ウィーバー、長年の仲間ジェームズ・キャメロン監督の意外な一面を明かす撮影/興梠真帆

「『エイリアン2』以降、いつもジムとは連絡を取り合っています。彼と親しいというのは、とてもラッキーなことだと思います。彼は完璧主義者だし、科学者でもあり、様々な映像技術を開発することもできます。そういうところは、ほかの監督とは違いますね。

初めて一緒に仕事をした『エイリアン2』の時は、驚くほどまじめというかシリアスで、なにかに突き動かされているような感じでした。もちろん、そこには彼が完璧主義者という理由もあるんですけど。

でも、最近は違います。『アバター』で久々に仕事をした時は、遊び心が出てきて、とてもおもしろいというか、おかしな人になっていてびっくりしました。一緒に食事をする時も、笑いが絶えないんですよ。彼のこの大きな変化はハッピーな家族を持ったからだと思います。実際『子どもたちから、私は謙虚さを学んだ』と言っていましたから。家族が彼を変えたんでしょうね」

――ウィーバーさんはSF映画にもたくさん出演しています。そういうなかで「アバター」シリーズはどんな作品だと捉えていますか?

ジェイクはネイティリと家庭を築き、子どもたちと平和にパンドラに暮らしていた
ジェイクはネイティリと家庭を築き、子どもたちと平和にパンドラに暮らしていた[c] 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.


「確かに、いろいろなSFやファンタジーにも出演しましたが、そういう作品とはまるで違うのが『アバター』なんです。とりわけ今回は、“家族”というのがストーリーの中心にあります。それは普遍的なテーマの一つです。架空の星、未来を舞台にした話にもかかわらず、その核になっているのは“家族”。そういうなかで家族を語るのはとてもユニークではないでしょうか。

多くの人が本作を観て、いろんな疑問を持つと思います。人間とは?自然とは?家族とは?と。ジャンルとしてはSFではありますが、人間を描いている作品だと思っています」

取材・文/渡辺麻紀

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