魔法も冒険も忘れて、ラブロマンスを見ている気分?異例の展開に驚く「ウィロー」第5話レビュー
ジョージ・ルーカスが原案と製作総指揮を務めた冒険ファンタジー映画『ウィロー』(88)の20年後の世界を描いたオリジナルシリーズ「ウィロー」が、ディズニープラスにて独占配信中。MOVIE WALKER PRESSでは、エンタメ感満点で描かれる本作の魅力をレビュー連載で徹底ガイド。今回は、登場人物たちの隠された秘密が明かされていく第5話のレビューをお届けする。
※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
盗賊団に捕まった一行…絶体絶命のピンチ!と思いきや?
ドラマ後半に突入した「ワイルドウッド」は、激しいアクションで幕を開ける。前回その存在が明らかになった“ラスボス”妖婆クローンの命を受けた魔物たちが、クローンの都を目指すウィロー(ワーウィック・デイヴィス)たちを襲撃。野山や廃墟の町を駆け抜けながら、剣や弓で応戦するボーマン(アマール・チャーダ=パテル)やキット(ルビー・クルス)、ジェイド(エリン・ケリーマン)らがアップテンポで描かれる。これまでアクションシーンは重々しい空気をまとっていただけに、躍動感あふれるスタントの気持ちよさは格別だ。
そんな今回キーマンとなるのが、まやかしの森ワイルドウッドを拠点にする盗賊団ボーンリーバーである。第1話でバリアの外に出たボーマンたちを襲った、野武士のような荒々しい連中だ。どくろの仮面をつけたその姿は前作に登場したバヴモルダの家臣ケール将軍を思わせるが、実は彼らはかつてケールに仕えたノックマールの戦士たち。ノックマールを滅ぼしたティア・アスリーンに暴動を起こすため暗躍している、いわば反乱軍である。
ワイルドウッドに立ち入ったウィローたちはボーンリーバーに囚われるが、その女性首領スコーピア(アジョワ・ アボアー)はなんとボーマンの元カノ。第1話の襲撃シーンで、ボーンリーバーの一人がボーマンに憎まれ口を叩いていた理由が判明した。それにしてもボーガンは、スコーピアらノックマールの戦士にとって最大の敵マッドマーティガンに従者として5年も仕えた男。彼らの間にまだ隠されている相関関係がありそうで、今後の楽しみが一つ増えた。
さらなるサプライズは、ジェイドの出生の秘密が明かされたこと。実は彼女もボーンリーバーと同じノックマール出身だったのだ!つまりジェイドが思いを寄せるキットは、宿敵の娘にあたる。前作はもちろん、「スター・ウォーズ」でも運命に翻弄される人々を描いたルーカスフィルムらしいドラマチックな展開に思わず胸が高まる。