『ICHI』「精霊の守り人」「奥様は、取り扱い注意」…『レジェンド&バタフライ』綾瀬はるかの“アクション俳優”としての歩み
戦国の英雄、織田信長とその正室、濃姫との知られざる愛の物語を、壮大なスケールで描く歴史エンタテインメント『レジェンド&バタフライ』(公開中)。木村拓哉が信長を、綾瀬はるかが濃姫を演じるということで、歴史ファン以外からも大きな注目を集めている。綾瀬といえば、様々な作品でアクションに挑戦しており、本作でも披露する大立ち回りも見どころの一つ。そこで本コラムでは、彼女の過去の出演作を振り返りながら、アクション俳優としてのポテンシャルの高さを徹底解析!これを読めば、『レジェバタ』で濃姫を体現した綾瀬のスゴさがよりわかるはずだ。
『僕の彼女はサイボーグ』で本格的なアクションに挑戦
2004年に放送されたドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」や2006年放送の「白夜行」などでの薄幸のヒロイン役でお茶の間の人気を獲得し、「ホタルノヒカリ」や『プリンセス トヨトミ』(11)といったコメディ作品では、持ち前の“天然キャラ”を爆発させてコメディエンヌとしての才能も印象づけてきた綾瀬。だが、中学3年生の時に中国地区の駅伝大会に出場するなど、実はスポーツ万能。ジャンプして綺麗な弧を描きながら海に飛ぶ込むイオンウォーターのCM、陸上選手顔負けの美しいハードルジャンプをする生命保険会社のCMを見て、彼女の身体能力の高さを確信していた人も多いに違いない。
2008年公開の『僕の彼女はサイボーグ』は、そんな綾瀬が初めて本格的なアクションに挑戦したSFアクション・ラブストーリーだった。『猟奇的な彼女』(01)の韓国の鬼才クァク・ジェヨンがメガホンをとったこの作品で、見た目はキュートでかわいいけれど、人間離れした怪力で身体の大きな男を投げ飛ばし、高速で疾走するサイボーグの“彼女”を快演!ワイヤーアクションにも挑み、ぎこちないロボットダンスも披露していた。
時代劇のダークヒーロー“ICHI”役でキレッキレの剣術アクションを炸裂!
また、同じ年に公開された『ICHI』では本格的な時代劇に初挑戦し、キレッキレの剣術アクションを炸裂させた。綾瀬が演じたのは、勝新太郎やビートたけしもかつて扮した、時代劇のダークヒーロー“座頭市”を女性に置き換えた盲目の市。ある男を捜して宿場町で流れ着いた彼女の過酷な運命が描かれたが、5~10人の野党集団を逆手持ちの仕込み刀で一気に斬り裂くシーンは、伏目がちな瞳と相まって実にクールだ。さらに、中村獅童が演じた野党の首領、万鬼とのガチバトルで手足に深い傷を負うシーンも生々しい芝居で体現。万鬼と再び激突するクライマックスでは、頭上から刀を振り下ろすパワフルなアクションで市の深い悲しみと怒りを伝えていた。