夢?現実?そして現場で生まれた新たな伏線…『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』重要シーンの撮影現場に潜入!

インタビュー

夢?現実?そして現場で生まれた新たな伏線…『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』重要シーンの撮影現場に潜入!

天才的なひらめきを持つ探偵助手のアンナと、ポンコツで自称天才探偵の風真が様々な謎に挑む姿を描いた人気ドラマシリーズを映画化した『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』(3月31日公開)。MOVIE WALKER PRESS編集部は2022年6月、夏の横浜で行われた本作の撮影現場に潜入。現場レポートと共に、入江悠監督と北島直明プロデューサーが明かしてくれた本作のこだわりをお届けする。

劇場版となる今作は、アンナ役の広瀬すず、風真役の櫻井翔、そして探偵事務所社長・栗田一秋役の江口洋介といった、ドラマでお馴染みのチームネメシスのメンバーが再集結。豪華な新キャストの参戦も話題になっている。『22年目の告白 -私が殺人犯です-』(17)、『AI崩壊』(20)など数々のヒット作で知られる入江監督がドラマシリーズ総監督に引き続きメガホンをとり、脚本には「アンフェア」シリーズの原作者で、謎解きミステリーの名手として知られる秦建日子が参加した。

広瀬すず、櫻井翔、江口洋介が再集結!『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』で挑む新たな案件は?
広瀬すず、櫻井翔、江口洋介が再集結!『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』で挑む新たな案件は?[c]2023 映画「ネメシス」製作委員会

舞台はドラマの最終話から2年後の世界。突如、探偵事務所「ネメシス」は依頼がピタリと止まり経営難に陥ってしまった。さらに、アンナは仲間たちが次々に悲惨な死を遂げる悪夢を毎晩見るように。同時に、風真は怪しげな行動を取り始める。そんなある日、夢で何度も見る“窓”と名乗る謎の男がアンナの前に現れ、「私たちが握手をしなければ、夢は1つずつ現実になっていく」と伝えるが…。

探偵事務所「ネメシス」3人の前に衝撃な出来事が起きてしまう
探偵事務所「ネメシス」3人の前に衝撃な出来事が起きてしまう[c]2023 映画「ネメシス」製作委員会

この日撮影されていたのは、入江監督が本作の「肝」だと言う映画冒頭のシーン。薄暗い空間に、アンナと栗山が対面で黒い椅子に座り、何者かに囚われているようで、手足が縛られて身動きが取れない様子。遠くから「カツカツカツ」と足音が聞こえてくる。すると、風真がハサミを拾い、懐中時計を確認しながら、ゆっくり近づいてくる。ドラマでいつもやさしい表情を見せていた風真とは違い、シリアスな雰囲気が漂っている。アンナの首にかけている亡き父の形見であるネックレスを奪い、手にしたハサミを振り上げて栗山の首元に突き刺す。

【写真を見る】櫻井翔が演じる風真が豹変!刃物で「ネメシス」社長の首元をねらう…
【写真を見る】櫻井翔が演じる風真が豹変!刃物で「ネメシス」社長の首元をねらう…[c]2023 映画「ネメシス」製作委員会


緊迫したシーンに「カット!」のかけ声がかかると、いままでとは違うチームネメシスの関係性をうまく見せた3人の表情が柔らかくなっていく。かすかな光が差している撮影セットを見ると、謎の数字が柱に書かれている。そして中央には“謎のトマト”がオブジェのように飾られており、よく見ると、その真下の地面にも謎の数列が螺旋状に書かれている。目の前で起きている出来事は現実なのか、それとも夢なのか。

「いろんな可能性が無限にある物語なので、どう演じても正解なんですけど、観客にどういうふうに見られたら1番いいのかを毎日探ってる感じです」と語る入江監督。櫻井は入江監督と、ハサミを地面から拾い上げるタイミングや、懐中時計の確認の仕方、ネックレスを奪う動作、首元へ刺す角度などを入念に話し合い、広瀬と江口もセリフを確認しながら、声のトーンを細かく変えていく。そして、テストを重ね、全体を見渡す「引き」、人物の表情を細部まで見る「寄り」など、違う角度から何度も丁寧に撮影していく。

俳優陣と制作陣はより良い表現方法を求めるため現場で話し合っていく
俳優陣と制作陣はより良い表現方法を求めるため現場で話し合っていく[c]2023 映画「ネメシス」製作委員会

このシーンについて、北島プロデューサーは「風真が懐中時計を見るところは、実は台本にはなかったんです。でも、あの懐中時計があとで伏線となって効いてくるんですよ。現場で演出をやっているなかで気づく入江監督がすごいです」と明かす。「最終的に伏線回収の謎解きパートもありますので、ここで伏線を入れとこうとかは、現場で結構生まれてますね」と入江監督も撮影中で生まれたディテールを説明し、「本当にパズルみたいな脚本なんです。ただ、今日のところは映画の肝になるところなので、ようやく全体が見えたなという感じはあります」と手ごたえを感じていた。

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