夢?現実?そして現場で生まれた新たな伏線…『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』重要シーンの撮影現場に潜入!

インタビュー

夢?現実?そして現場で生まれた新たな伏線…『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』重要シーンの撮影現場に潜入!


2年ぶりに再集結した広瀬、櫻井、江口の探偵事務所ネメシスについて、入江監督が「お三方ともすごいなと思ったのは、役に一瞬で戻ってたことです。ドラマで10話をやってきたから、その関係性や、自分たちにキャラクターを呼び戻すのがすごい早い」と感心していた。

人望あふれるポンコツ探偵の風真を扮する櫻井翔
人望あふれるポンコツ探偵の風真を扮する櫻井翔[c]2023 映画「ネメシス」製作委員会

映画のもう一つの大きな見どころは、佐藤浩市が演じる謎多き登場人物の”窓”。本作で佐藤と初タッグを組む入江監督は、「僕の昔の自主映画とかを見てくださってたんで、気にかけてくださってるってのは聞いてたんですけど、 やっぱり光栄ですよね。お会いした時に、『魚影の群れ』や『GONIN』など、佐藤さんが出演された映画の話をいちファンみたいにいろいろ聞いちゃって(笑)」。

今回の物語のキーマンで自称“窓”の謎多き男を演じるのは佐藤浩市
今回の物語のキーマンで自称“窓”の謎多き男を演じるのは佐藤浩市[c]2023 映画「ネメシス」製作委員会

撮影現場の佐藤について「もう早く芝居したくて、たまんないみたいなオーラがずっと出ています。スタッフたちがアングルとか決めてたりすると、スタンバイ中なのに『俺は入るよ!』とスッとサポートしてくださるんです。本当に芝居が好きな映画俳優という感じですね」と語った。

出演者たちが口をそろえて「難しい脚本」だと称した、何重にも複雑に交錯した物語について、入江監督は「SFとミステリーが融合した感じです。クラシックな探偵ネタは 『ネメシス』のドラマで結構やっていたので、今回は現代的なネタを詰め込んで、SF感が入ってきてパラレルワールドみたいな話です」と解説した。さらに、「撮影に入る前、何度も脚本家とプロデューサーと確認して、ようやく物語を理解できたって感じですね。例えばクリストファー・ノーランの映画は、僕ら観客たちが観ると『なるほど』と思いますけど、多分脚本で読んだだけではわからないと思うんですよね。そんな感じに近いです」とも話していた。

入江悠監督が物語の魅力や実現できる工夫までたっぷり語った
入江悠監督が物語の魅力や実現できる工夫までたっぷり語った[c]2023 映画「ネメシス」製作委員会


幅広い世代に好評を博した「ネメシス」の映画化について、北島プロデューサーは「最初から映画を想定していたわけではないんですが、でも映画化できたらいいなと思っていました。ありがたいことに多くのファンから支持をいただき、そして、監督とキャストの皆さんはドラマで”もうお腹いっぱい”になった方はいらっしゃらなかったので、映画の企画につながった」と明かしてくれた。

さらに、街を封鎖したロケを2度も敢行し、ドラマからスケールアップされた映像について「やっぱりスクリーンサイズだからこそ、表現の奥行きであったり、それはやっぱり映画じゃないと作れないです。エンターテイメントとしての映画的表現で、パワーがある画を盛り込みたかった」と映画ならではのよさも話していた。

「テレビドラマを観ていない方でも楽しめるように作ってありますが、ドラマファンも楽しむことができるように作っています。『待ってました』というような決めセリフや、キャラクターの関係性もちゃんと守っています」とドラマを視聴したかどうかにかかわらず、それぞれの楽しみ方があるとアピールした。

アンナの武術カラリパヤットなど、アクションシーンも必見
アンナの武術カラリパヤットなど、アクションシーンも必見[c]2023 映画「ネメシス」製作委員会

入江監督もドラマの映画化だからこそ、実現できたことを振り返った。「いい意味で裏切れるんじゃないかなと思います。ドラマ10話やったことを踏襲して、映画的なスケールでこのようにくるのかなと思いきや、実は内容にはすごく驚きがあります。そういう意味では、ドラマでキャラクターがしっかりできているからこそ、映画で思いっきり変化球が投げられます」。

SF、ミステリー、予測不能な展開…多様な要素が盛り込まれている本作を、ぜひ劇場で体験してほしい。


取材・文/編集部

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