ミシェル・ヨーが女性や観客、母へ贈る言葉「私を見て、私はここにいる」。主演女優賞受賞スピーチ全文&受賞後インタビュー
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(公開中)を象徴する、エヴリンを演じたミシェル・ヨー。第95回を数えるアカデミー賞で、史上初のアジア系主演女優賞受賞となった。有色人種としても、2002年のハル・ベリー以来史上2人目となる。そのハル・ベリーから主演女優賞を授与されたミシェル・ヨーは、「もう誰にも、『あなたは全盛期を過ぎている』なんて言わせないで!」と、世の女性たちにエールを贈った。
マレーシア出身のミシェル・ヨーは香港映画でキャリアを積み、『トゥモロー・ネバー・ダイ』(97)、アン・リー監督作『グリーン・デスティニー』(00)、『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』(11)、そして『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(21)など、たくさんの作品で凛とした強さを持つ女性を演じてきた。このエヴリン役はいままでの彼女のイメージとは少し異なる、生活に疲れた中国系移民の役。たくさんのユニバースを行き来するエヴリンを演じきり、賞レース序盤から主演女優賞有力候補として走り続けたミシェル・ヨーは、彼女自身の未来の可能性を広げただけでなく、たくさんのマイノリティに属する人々に希望を与えた。
ミシェル・ヨー 主演女優賞受賞スピーチ全文
「ありがとうございます。 今夜、この賞を観ているだろう、小さいころの私のような少年少女たちにとって、希望と可能性の道しるべになることでしょう。大きな夢を持ちましょう、そして夢は叶うのですと証明することができました。そして、女性たちよ。誰にも、あなたはもう全盛期を過ぎているなんて言わせないでください。決してあきらめないでください。
ダニエルズがいなかったら、A24がいなかったら、すばらしいキャストとクルーがいなかったら、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に関わったすべての人がいなかったら、私は今夜このステージに立つことはできなかったでしょう。
この賞を私の母に捧げます。世界中のお母さんたちはまさにスーパーヒーローであり、彼女たちがいなければ、私たちの誰も今夜ここにいません。私の母は84歳です。母はいま、マレーシアのクアラルンプールで、家族や友人と一緒にこれを観ています。愛しています。(オスカー像を)家に持って帰りますね。そして、私がキャリアをスタートさせた香港の家族たちにも。肩を貸し、足を与え、私が今日ここにいることができるよう力添えをくれました。どうもありがとう。私のゴッドチルドレンたち、姉妹たち、兄弟たち、そして私の家族たち。ありがとうございます。アカデミーに感謝します。これは歴史に残る出来事です。ありがとうございました」