クエンティン・タランティーノ、監督引退作のテーマは“映画評論家”!今秋より撮影開始へ
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)以来となるクエンティン・タランティーノ監督の最新作で、10作品での引退を宣言している彼の最後の作品となる映画が、この秋に制作されることがわかった。「The Hollywood Reporter」が独占で報じている。
報道によれば、タランティーノ監督が現在準備している脚本のタイトルは『The Movie Critic』。1970年代後半のロサンゼルスが舞台となり、かつて「ザ・ニューヨーカー」で映画批評を執筆し2001年にこの世を去った映画評論家ポーリン・ケイルを題材にした物語になるとみられている。タランティーノが女性を主人公にした作品を手掛けることになれば、『キル・ビルvol.2』(04)以来となる。
キャストやストーリーの詳細についてはまだ明らかになっておらず、また製作スタジオについては、早ければ今週中にも各スタジオのバイヤーに脚本が送られる可能性があるとのこと。現時点での最有力候補は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でもタッグを組んだソニー・ピクチャーズだとか。
かねてから60歳になるまでに10本の映画を監督して引退することを表明してきたタランティーノ監督。デビュー作の『レザボア・ドッグス』(91)以降、「キル・ビル」シリーズを1本の映画としてカウントすれば現在までに手掛けた作品は9作品。『パルプ・フィクション』(94)と『ジャンゴ 繋がれざる者』(12)でアカデミー賞脚本賞に輝き、作品賞には4度、監督賞には3度ノミネートされている。
3月27日にいよいよ60歳の誕生日を迎えるタランティーノ監督。映画監督から引退した後の動向については以前、リミテッド・シリーズや演劇などほかのクリエイティブな活動への興味を示していた。現代ハリウッドを代表する映画作家タランティーノの有終の美を飾る作品の続報に、乞うご期待!
文/久保田 和馬