鳥山明の“伝説の名作”『SAND LAND』が映画化!3種のキャラクタービジュアルが解禁
<鳥山明 コメント>
ー「SAND LAND」はいつどのように誕生したのですか?
「『ドラゴンボール』も終わり、いろいろ短編や読み切りも試してみたし、最後のつもりで今の自分を出し切った作品を描いてみようと思いました。いま思っても、コミックス1巻分限定とはいえ、週刊連載だったのにアシスタント無しで、すべて一人だけでよく描いたな。って自分で驚きます」
ー(「COWA」が一番と知りつつ)「SAND LAND」が最も好きな作品と言い切れる部分はありますか?
「自分でマンガを描く場合、好みなのは地味目で軽い内容。という受けにくいもの。じつはこれでも、軽いって部分を抑え、頑張って真面目なストーリーにしたつもりなんですよ。理屈からいえば、自分の最新作のマンガが一番好きなはずです。しかしいまから思えば、少なくても画力と気力はこの『SAND LAND』を描いたあたりはスゴかったなって感じがします」
ー鳥山先生ご本人だけが感じる、本作の独自の魅力や特徴とは?
「『SAND LAND』は、ペン入れした紙原稿をスキャンしてPCに取り込み、ソフトを使ってベタ塗りや自作のトーンを貼って仕上げました。たぶんほとんど寝てなかったんじゃないかな…。全話描き終えた後、デビュー前から使っていた愛用の木製ペン軸を失くしてしまいました。ナイフやサンドペーパーであれこれ削ったり、使っているうちにすり減ったりして長い時間をかけて手に馴染んだペン軸でした。新しいペン軸を買って、あれこれ削ってみたものの、どうもしっくりきません。以降、マンガをほとんど描かない言い訳にしています(笑)」
ーキャラ、メカ、世界観、ストーリーが凝縮された「鳥山先生色」がとても強い作品と評されることをどう思いますか?
「たしかにそうかもしれませんね。読者のことももっと考えなきゃいけないのに、好みを優先してしまった気がします。プロ失格かもしれません」
ー23年経って映画化されることをどう思いますか?
「これを楽しいって言ってくれる人って、まさに僕にとっては、わかってる神ファン!って感じじゃないでしょうか」
ー現状の制作中の映像等を見てどのように感じられますか?
「拝見したのはまだまだ未完成な部分が多い映像でしたが、それでも非常に高いクオリティは十分に感じられました。まさか映像化されるなんて思ってもみなかった上に、このクオリティですから、この時点で夢のようです」
文/久保田 和馬