初共演の松山ケンイチ&長澤まさみ、撮影中は「会話なし!」柄本明は「家族で松ケンファン」を公言

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初共演の松山ケンイチ&長澤まさみ、撮影中は「会話なし!」柄本明は「家族で松ケンファン」を公言

松山ケンイチ長澤まさみが初共演を果たした映画『ロストケア』(3月24日公開)の公開前夜祭舞台挨拶が3月23日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、松山と長澤をはじめ、鈴鹿央士坂井真紀戸田菜穂加藤菜津柄本明前田哲監督が登壇した。

『ロストケア』の公開前夜祭舞台挨拶が開催された
『ロストケア』の公開前夜祭舞台挨拶が開催された

第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した葉真中顕によるデビュー小説「ロスト・ケア」を、『そして、バトンは渡された』(21)の前田監督が映画化した本作。介護士でありながら、自らの信念に従って42人を殺めた殺人犯の斯波宗典(松山)と、法の名のもとに彼を裁こうとする検事の大友秀美(長澤)が、互いの正義をかけた緊迫のバトルを繰り広げるさまを描く。

【写真を見る】松山ケンイチ、長澤まさみの手を取ってエスコート!
【写真を見る】松山ケンイチ、長澤まさみの手を取ってエスコート!

この日、登壇者は客席の間を通って登場したが、ステージに上がる際に松山は長澤の手を取ってエスコートし、鈴鹿は坂井、戸田、加藤、そして柄本もエスコート。鈴鹿は「松山さんから…」と松山からのアドバイスによって俳優陣の手を取ったと明かしたが、これには松山が「俳優は、伝説は自分で言って作るものだから。『僕がそう思ったから、当たり前です』と言って」と指導を与え、鈴鹿は「やっぱり、当たり前のことかなと思ってやりました」と素直に応じて、会場を笑わせていた。

殺人犯の斯波宗典役を演じた松山ケンイチ
殺人犯の斯波宗典役を演じた松山ケンイチ

本作の企画が動きだしたのは、10年前とのこと。松山は「この原作と出会って10年が経ちましたが、やっと皆さまのもとへ届けられると思うとうれしいです。たくさんの人にぜひ観ていただきたいテーマでもあります」と感無量の面持ち。長澤は「撮影をしていたのは、昨年のいまぐらいの時期。手元から離れるのは寂しいですが、たくさんの方に観ていただいて、この作品を味わってもらえたら」と呼びかけた。「オーディションの時に泣いてしまった」ほど強烈に本作に惹かれたという鈴鹿は、「たくさんの人に伝わってほしい作品」と語り、それぞれが、いま届けたい映画として本作をアピールしていた。

検事の大友秀美役を演じた長澤まさみ
検事の大友秀美役を演じた長澤まさみ

松山と長澤は今回、正義をめぐって衝突する関係性として初共演を果たした。長澤は「撮影中、ケンちゃんと会話をしなかったことが心に残っています」と松山を愛称で呼びながら、「お互いに(演じる役柄の)立場が違うので『そういった空気感を壊さないようにしよう』という想いから、当たり前のようにそうなっていった。それぞれがそうしたいという想いがあったので、それがうまくいった」と松山と自然と意思疎通を図ることができたという。司会から松山について新たに発見したことを聞かれると、長澤は「目の色がすごく茶色い」と笑顔でコメント。松山は「わい(自分)もあまり知らなかった」と楽しそうに笑うなど、息ぴったりの様子を見せていた。

親子役として共演したのが、松山と柄本だ。柄本とのシーンについて、松山は「忘れられないシーンになった」としみじみと語る。一方の柄本は「うちは家族で、松ケンファン。長男も次男も松ケンファンで、僕も松ケンファン」とにっこり。「一番最初にこの人が主役をやった映画に、亡くなったうちのカミさん(角替和枝)も出ていた。カミさんが『いいのがいる』と言ったのかな。僕も(撮影に)1日行ったら、この人がいた。すぐにキャスティングの人のところに行って『どこで見つけてきたの』と言ったことを覚えています」と初対面から、松山の才能に惚れ込んだという。


松山は「柄本佑として現場にいました」と柄本の長男の名前を出しながら、「佑くんか、(次男の)時生くんか、どちらか悩んだ。今回の作品は、佑くんだと。佑くんとしてやらせていただきました」と柄本の息子役を演じる心構えを語ると、柄本は「そうですか。ありがとうございます」と目尻を下げていた。

取材・文/成田おり枝

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