イラストレーター、朝野ペコが「マンダロリアン」のファンになった理由は?「背景や小道具など隅々まで楽しんでいます」
ディズニープラスで人気を博す「スター・ウォーズ」最新作のオリジナルシリーズ、「マンダロリアン」シーズン3の配信が3月からスタートし、ファンを熱狂させている。孤高の賞金稼ぎ、マンダロリアン(以下、マンドー)と、“ザ・チャイルド”ことグローグーの新たな旅にはなにが待ち受けているのか、大いに気になるところだ。
イマジネーションに富んだこのシリーズにはクリエイターのファンも多く、映画『花束みたいな恋をした』(21)の劇中イラストや、アニメ「呪術廻戦」コラボグッズなどで知られるイラストレーターの朝野ペコも、その一人。全国の映画館で配られているインシアターマガジン「月刊シネコンウォーカー」の3月号にて掲載したシーズン3の紹介記事では、「マンダロリアン」に登場するキャラクターのイラストを描き下ろし、その愛嬌あふれるタッチが好評を呼んだ。そんな朝野に、「マンダロリアン」に惹かれるワケを聞いてみた。
「グローグーのかわいさが爆発していました!」
『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(99)に始まった、いわゆる新三部作(プリクエル)からの「スター・ウォーズ」ファンで、シーズン1の配信開始時から「マンダロリアン」を楽しんでいたという朝野。「『スター・ウォーズ』はとにかく世界観がおもしろくて、背景や小道具にも惹かれるし、ビジュアルの隅々まで楽しめます。子どものころから絵を描いていたこともあり、ビジュアルは特に印象が強かったです。『マンダロリアン』も同様の印象を受けたのですが、加えて、やはりグローグーがかわいい(笑)。そこにマンドーの人間的な魅力がうまく結びついている作品だと思います」。
グローグーは言うまでもなく、ヨーダと同じ種族。50歳という設定だが、この種族が人間の10倍程度の長寿であることを踏まえれば、まだ幼児ともいえる。かわいいと思えるのは、ある意味当然。「スター・ウォーズ」の壮大なサーガを振り返った時、見た目だけで理屈抜きに惹きつけるキャラクターは、ほかにいないのではないか?「グローグーのかわいさは毎回楽しみにしています。最も印象的なシーンを問われると迷いますが、シーズン2の第2話『チャプター10 乗客』での卵をこっそり食べちゃうシーンですかね。あのシーンはかわいさが爆発していました」。
「マンドーとグローグーのやりとりにはクスっと笑える部分も多い」
マンドーは賞金稼ぎという荒っぽい仕事をしており、一見すると無頼にも見えるが、マンダロリアン種族の厳格な掟を守って生きている。しばしば指摘されることだが、この主人公は時代劇や西部劇に登場する、人間味のあるアウトローの面影が重なる。「マンドーはたしかに仕事人ですが、情が深くて困っている人を放っておけないようなところがありますよね。シーズン3の2話目まででは(※インタビュー時点で第2話までを鑑賞)、残念ながらいいとこナシなんですけど(笑)、そういう失敗を含めて人間味を感じます。また、これまでコックピットの場面では、グローグーに『ここに座ってろ』というシーンが頻繁にありましたが、決して声を荒げず、怒らず、父親のような優しさがある。彼らのやりとりにはクスっと笑える部分も多いし、『スター・ウォーズ』を知らない人でも、単体で楽しめるシリーズだと思います」。
イラストレーター。兵庫生まれ大阪在住。書籍や雑誌、広告などのイラストレーションを数多く手掛ける。映画『花束みたいな恋をした』で劇中イラストを手掛け話題に。書籍「映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選」では映画の名シーンを100点手掛ける。
朝野ペコ公式HP