オスカー俳優ブレンダン・フレイザーと注目の若手女優が激しい演技バトル!『ザ・ホエール』本編映像を入手
第95回アカデミー賞で主演男優賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞の2部門を受賞した、A24製作によるダーレン・アロノフスキー監督の最新作『ザ・ホエール』(4月7日公開)。このたび本作から、ブレンダン・フレイザー演じる父チャーリーと、セイディー・シンク演じる娘のエリーの複雑な関係性が描かれた本編シーンの映像が解禁された。
体重272キロの巨体の男チャーリーが、疎遠だった娘との絆を取り戻そうとする“最期の5日間”を描く本作。恋人を亡くして以来、現実逃避から過食状態となったチャーリーは、自らの余命が幾許もないことを悟る。過去に家族を深く傷つけてしまったことにいまも胸を痛めているチャーリーは、自分への怒りと恨みを募らせた娘のエリーと再会することを決意する。
このたび解禁された本編映像では、そんなチャーリーとエリーがそれぞれの思いを激しくぶつけ合う口喧嘩のシーンが収められている。幼い頃に父から捨てられた経験がトラウマとなり、学校生活と家庭で多くのトラブルを抱える17歳のエリー。怒りに身を任せて生きる彼女にチャーリーはアドバイスをするのだが、その言葉にエリーはさらに怒りを爆発させる。
ほぼワンシチュエーションの会話劇として構成されている本作にとって、セリフは最大のカギ。原作戯曲の作者でもあり、脚本も務めたサミュエル・D・ハンターの書くセリフに惚れ込んだというフレイザーは「サム(サミュエル)は現実の生活を詩にする。彼の物語には必ず価値観と目的があるうえに、活き活きとしたユーモアあふれる率直な言葉を書く才能がある」と厚い信頼を寄せる。
大学でエッセイの講師をしているチャーリーは言葉を用いて人々を癒そうとするが、対照的にエリーは言葉を反抗するための武器として使う。対立する父と娘の言葉の使い方の違いも見逃せないポイントの一つ。本作で華々しい復活を遂げたフレイザーと、アロノフスキー監督も絶賛する期待の若手女優シンクの圧巻の演技バトルを、是非とも劇場で目撃してほしい。
文/久保田 和馬