ミニチュア写真家、田中達也が表現者になって気づいた「スター・ウォーズ」のスゴさ…「子どもでも絵に描けそうなわかりやすいフォルムがすばらしい」 - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ミニチュア写真家、田中達也が表現者になって気づいた「スター・ウォーズ」のスゴさ…「子どもでも絵に描けそうなわかりやすいフォルムがすばらしい」

インタビュー

ミニチュア写真家、田中達也が表現者になって気づいた「スター・ウォーズ」のスゴさ…「子どもでも絵に描けそうなわかりやすいフォルムがすばらしい」

「アソーカ・タノが重要なキャラクターなんだと再認識もできました」

「スター・ウォーズ」はキャラクターの宝庫。本作にも多彩なキャラクターが登場するが、思いがけない“再会”も楽しみの一つだという。「例えば、『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』のアソーカ・タノ(ロザリオ・ドーソン)が出てきたじゃないですか。CGアニメーションから実写になったことで改めて存在感を感じるし、『スター・ウォーズ』の流れのなかで重要なキャラクターなんだと再認識もできました」。

そのことで、過去作に対する見方も変わるのではないかと考える。「別作品のキャラクターが絡むことで、登場作を観返した時にいままでと違う関係性も見えてきます。キャラクターやストーリーをうまくつないでいることで、『スター・ウォーズ』全体の底上げをしてくれている感じがします」。

「マンダロリアン」シーズン2では「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」の主要キャラクター、アソーカ・タノが実写で待望の登場!
「マンダロリアン」シーズン2では「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」の主要キャラクター、アソーカ・タノが実写で待望の登場![c]2023 Lucasfilm Ltd.

「『ターミネーター』的な感じで再登場したIG-11にまた戻ってきてほしい」

「マンダロリアン」でディン・ジャリンとグローグー以外のお気に入りキャラはIG-11だという。「もともとIGシリーズはそんなに好きじゃなかったんです。ひょろいくせにこんな強いのか?みたいな(笑)。でも、『マンダロリアン』のシーズン1ではめっちゃいいやつじゃん!と見直しました。シーズン3の第1話では『ターミネーター』的な感じで再登場しましたが、また戻ってきてほしいですね。あとは単純にデカいキャラが好きなので、シーズン3第2話でミソソー(※マンダロリアンの象徴とも言われる謎のクリーチャー)が出てきたのはすごくうれしかったです」。

田中達也のお気に入りのキャラクターである賞金稼ぎのドロイド、IG-11
田中達也のお気に入りのキャラクターである賞金稼ぎのドロイド、IG-11[c]2023 Lucasfilm Ltd.

「『スター・ウォーズ』を観たことがない人も、ダース・ベイダーやヨーダの姿を一度は見たことはあるでしょう」

自身の作品でもたびたび「マンダロリアン」をモチーフにしている田中。ピスタチオをグローグーが乗る浮遊カプセルに見立てたり、マンダロリアンの集団の中にいるボバ・フェットがヘルメット代わりにキュウリを被ったりと、どの写真も着眼点やユーモアのセンスが光っているが、力作の一つがミカンとアイスキャンディを使ったアーマラー(エミリー・スワロー)の鍛冶風景。「過去にミカンを溶岩に見立てたことはあったので、アイスを武器みたいに使ったらもっとおもしろいだろうなと思って。“ミカン”を“未完”成にかけたダジャレにもなっているんです(笑)。ドラマでこのシーンを観た時から、ミニチュアで再現できないかな?考えていました」。

タイトルは「未完の武器」。“ミカン”アイスキャンディを“未完”とかけたアーマラーの鍛冶風景
タイトルは「未完の武器」。“ミカン”アイスキャンディを“未完”とかけたアーマラーの鍛冶風景[c]Tatsuya Tanaka

自身の作品づくりで心掛けているのは「“見立て”が見る人に通じるか」ということ。キャラクターのビジュアルを大切に、元になった映像作品を観ていなくても伝わるようにすることを大切にしているという。そういう意味で、ワールドワイドな人気と知名度を誇る「スター・ウォーズ」ワールドはうってつけの題材といえる。「『スター・ウォーズ』はどこの国でも知らない人がいないくらい有名ですからね。作品を観たことがない人も、ダース・ベイダーやヨーダの姿を一度は見たことはあるでしょう。『マンダロリアン』のグローグーが題材にしやすいのも、ヨーダみたいでかわいいという感覚を持っていただけそうだからなんです」。

【写真を見る】タイトルは「ナンダロリアン」。ボバ・フェットのヘルメットがキュウリになっているなど着眼点やユーモアのセンスが光る田中達也の作品
【写真を見る】タイトルは「ナンダロリアン」。ボバ・フェットのヘルメットがキュウリになっているなど着眼点やユーモアのセンスが光る田中達也の作品[c]Tatsuya Tanaka

「ナンダロリアン」。よくみたらボバ・フェットだけ、キュウリだった!
「ナンダロリアン」。よくみたらボバ・フェットだけ、キュウリだった![c]Tatsuya Tanaka

「半分は趣味の部分を入れて楽しみながら作ることを心掛けています」

作品のアイデアは「すんなりと出てきたものが多い」というが、欲を出しすぎるのはよくないそう。「撮影用という名目でフィギュアをたくさん買っているので、僕としてはなんとか使いたいわけです。その結果、時には無理矢理フィギュアを入れたりしてうまくいかないこともありました。“見立て”じゃない欲が入ってくるとダメなんですね。半分は趣味の部分を入れて楽しみながら作ることを心掛けています」。

タイトルは「実のある冒険」。グローグーが乗る浮遊カプセルはピスタチオで作成している
タイトルは「実のある冒険」。グローグーが乗る浮遊カプセルはピスタチオで作成している[c]Tatsuya Tanaka


■田中達也
ミニチュア写真家・見立て作家。1981年熊本生まれ。2011年、ミニチュアの視点で日常にある物を別の物に見立てたアート「MINIATURE CALENDAR」を開始。以後毎日作品をインターネット上で発表し続けている。国内外で開催中の展覧会、「MINIATURE LIFE展 田中達也見立ての世界」の来場者数が累計200万人を突破(2022年9月現在)。2020年ドバイ国際博覧会 日本館展示クリエーターとして参画。Instagramのフォロワーは370万人を超える(2023年3月現在)。著書に「MINIATURE LIFE」、「Small Wonders」、「MINIATURE TRIP AROUND THE WORLD」、絵本「くみたて」、「おすしが ふくを かいにきた」など。

公式サイト「MINIATURE CALENDAR」
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