映画シリーズ生みの親が語る『東京リベンジャーズ2』舞台裏「とにかく楽しみに待っててください」 - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
映画シリーズ生みの親が語る『東京リベンジャーズ2』舞台裏「とにかく楽しみに待っててください」

インタビュー

映画シリーズ生みの親が語る『東京リベンジャーズ2』舞台裏「とにかく楽しみに待っててください」

「役を飛び越えた絆がキャストそれぞれにあって、お芝居以上の関係性が出ている」

また今回の大きな見どころの一つといえば、新たに登場するキャラクターだ。東卍結成時のメンバーでありながら、敵対チーム「芭流覇羅(バルハラ)」に入る場地圭介役を永山絢斗、「芭流覇羅」のナンバー3で東卍結成メンバーの1人でもある羽宮一虎役を村上虹郎、そして東卍壱番隊副隊長で場地の腹心である松野千冬役を高杉真宙が演じる。全体のキャスティングについて、「“現実の世界にそのキャラクターが存在しても説得力のある人”というのが、僕の中でいつも決めていること」と語る岡田P。そのなかでも未だかつてないくらい苦労したと語るのが、永山に白羽の矢がたった場地のキャスティングだ。「場地は原作ファンの間でもある種“神格化”されているキャラクター。期待を超えたいというなかで前作からのキャストたちともたくさん話して、作品のキャラクターに最も近い人にしたいねと。場地って本当はみんなとつるむタイプではないし、無頼で破天荒だけど陰で誰よりも仲間想い。そういうキャラクターが永山さんにピッタリだと。愚直で不器用なんだけど、そこはあまり人に見せたくないと突っ張ったところがあって、そういうところがすごくかっこいい」。

東卍の壱番隊隊長、場地圭介を演じた永山絢斗
東卍の壱番隊隊長、場地圭介を演じた永山絢斗[c]和久井健/講談社 [c]2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

それを象徴するエピソードとして、場地は犬歯が尖っているキャラクターだが「そこをリアルに再現したくて、撮影では歯に非常に薄い特殊メイクのカバーのようなものをはめ込んで犬歯が尖っているようにしているんです。マウスピースは、はめているとうまく声が出せないんですが、空気が出るように設計された特殊なマウスピースを作ったんです。そしたら永山さんが『ちょっと持って帰っていいですか?」』と言って、つけたまま朝から晩までずっと生活してくれたんです。人に見えないところで作品のために努力する感じがめちゃくちゃ場地だなと思いました」と改めて役とオーバーラップしたという。

そしてなにより今回初参戦となる永山、村上、高杉のキャスト3名は「非常に大きい三者三様のプレッシャーを乗り越えているので、本当にすごいと思います」とも。「1が大ヒットした要因として、以前共演していたり公私ともに交流があったりと、役を飛び越えた絆がキャストそれぞれにあって、みんなお芝居以上の関係性が出ているんですよね。本当に俳優同士みんな仲がいいんです。今回、海沿いを東卍メンバーがバイクで走る超激エモシーンがあるんですけど、本当にただの友達が遊んでいるように見えるくらい(笑)。あれは、知らない人たち同士ではけっして撮れない、絶対に出ない仲のよさだと思います」。

【写真を見る】「俳優とキャラクターの親和性がキャスティングの絶対条件」『東リベ2』岡田Pが撮影の舞台裏を語る
【写真を見る】「俳優とキャラクターの親和性がキャスティングの絶対条件」『東リベ2』岡田Pが撮影の舞台裏を語る[c]和久井健/講談社 [c]2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

今回の撮影では、続投キャストたちの大きな変化も実感したという。「風格というか、現場に入ってきた時の居住まいが、みんな1の時と変わりましたね。1の時はとにかく『みんなで挑戦しよう』というのがテーマだったので、ある種、目をつぶってフルスイングするような気持ちだったんですけど、続投キャストたちはなにより1の成功を目の当たりにしているので、これを絶対に超えなきゃというプレッシャーや気迫が前作とは全然違う。お芝居を見ていても『1よりもっといいな』って毎日思うんです」と、笑顔でその手応えをのぞかせる。「彼らの能力だったり、前回はコロナ禍真っただ中だったという環境の影響もあるんですけど、キャストもスタッフも1の時にできなかったことを払拭しようと思いながら、今回の撮影に臨んでいる。

匠海くんが『リベンジャーズは士気の高いチーム』と撮影中も言ってくれるんですけど、キャストももちろんスタッフも同じ気持ち。それは作品の端々まですべてがそうで、実はメインキャスト以外の東卍や芭流覇羅のメンバー全員もオーディションで選んでるんです。数千人のオーディションをして、そこから一人ひとり書類を見て面接したうえで選んでいる。特攻服もそれぞれの名前がついている彼ら専用の衣装、ヘアスタイルも一人ずつ決まっていて、作品の端々までみんな同じ熱い思いでやっているんです」。ちなみに大量に“ヤンキーを作る”のも大変な作業だが、現場では「30台くらいの化粧台が現場にあって、どんどんヤンキーを作っていくんです。ヤンキーのベルトコンベアーみたいな(笑)」と舞台裏も明かす。

主要キャラクター以外のメンバー一人ひとりまで、全員がオーディションで決まったという
主要キャラクター以外のメンバー一人ひとりまで、全員がオーディションで決まったという[c]和久井健/講談社 [c]2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

壮絶な喧嘩シーンも大きな魅力だが、前作よりアクションが倍増しているのにも注目だ。「一つひとつのアクションに物語の“感情”を詰めこんでいるので、ただ喧嘩を見ているだけなのに心が動く。喧嘩シーンもそうですけど、リベンジャーズのアクションには、そのキャラクターの想いが乗っかっているので、見ていて泣けるシーンがすごく多い。例えば1の最後のタケミチとキヨマサがタイマンするシーンは、勝てるはずのない相手に必死に食らいつくタケミチの姿に『頑張れ!』って泣けてくるし。そういうシーンが2はもう満載です。特にラストのマイキーのくだりは何度観ても泣いちゃいますね」。

新キャストの喧嘩シーンも見逃せないが、「場地は一言で言うと型破りな男なので、ルールもなく突拍子もないことをするけど、めちゃくちゃ強い。だけど影ではすごく優しい男なので、彼のアクションはまず誰かを守るためじゃないと拳を振るわないというのがスタイル。それをやり始めた時の、自由でやんちゃな常識外れのアクションは場地のかっこよさでもあるし、無邪気さも出ていると思います。一方(村上演じる)一虎は、喧嘩しなさそうなベビーフェイスだけどめちゃくちゃ怖いというコンセプトなので、予備動作があまりない。いきなりフルスロットルに入って相手を倒す、スイッチが入ると歯止めが効かないクレイジーな狂気というのも、キャラクターに沿ったアクションなのでぜひ見ていただきたいですね」。

東卍を去った創設メンバー、羽宮一虎役を演じた村上虹郎
東卍を去った創設メンバー、羽宮一虎役を演じた村上虹郎[c]和久井健/講談社 [c]2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

しかし劇中の喧嘩シーンについては岡田自身、1の製作時から葛藤と不安があったそう。「かなり本気で喧嘩シーンをやっているので、おそらく北村匠海くん史上もっともボコボコにされているかもしれません(笑)。ホンモノの人間が喧嘩する生々しさは、漫画で見るのとは全然違う。以前、1の編集をしている時に喧嘩賭博のシーンで、タケミチが髪の毛を掴まれて手すりに何度も頭をぶつけられるシーンに、音響効果のスタッフがあまりにも痛い音を足すので、『もうやめてもらえないですか』と言ったぐらい(笑)。なので実は前作では楽しみ半分、不安半分でみんな公開を迎えたんですけど、その本気度、がんばりみたいなものがすごくポジティブに受け取ってもらえて、女性や若い方からも『応援したくなる!』というようなリアクションをたくさんしてくれて、すごくうれしかったんです。なので、2も結構なことになっていますが、たくさん観にきて応援してほしいです(笑)」と笑顔を見せる。

今作も冒頭から本気のアクションシーンが満載!
今作も冒頭から本気のアクションシーンが満載![c]和久井健/講談社 [c]2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

そして物語は、“血のハロウィン”と呼ばれる東京卍會VS芭流覇羅の一大決戦へと繋がっていく。「2の物語は1に比べて、全員がさらに重たい使命を抱えています。前作を初日に観てくださったファンの方が、映画を観たあとに『衝撃に備えろ』と絶妙なコメントをTwitterでつぶやいてくださっていたんですけど、まさに今回もそれだなと(笑)。映像、スケール、物語もそうですし、本当に見応えのあるシーンの連続なので覚悟して観ていただきたいです。ただの漫画実写化映画ではない、本気の映画です。本当に全編見どころしか撮っていないので、これは絶対にすごい作品になります」と力強く語っていた。

まずは前編が今月公開を迎える『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』。すべてにおいてスケールアップした本作の公開が、いまから待ちきれない。


文/富塚沙羅

関連作品