閉鎖的な「村」に隠された闇『ヴィレッジ』リアリティを加速させる“怪演“場⾯写真が解禁！

『余命10年』の藤井道人が横浜流星を主演に迎え、「村」という閉ざされた世界で生きる若者を通し、現代日本が抱える闇を描き出した『ヴィレッジ』(4月21日公開)。本作より、怪演によって村に蔓延る闇を体現したキャスト陣の場面写真が解禁となった。

神秘的な「薪能」の儀式が⾏われる夜霧が幻想的な霞⾨村。近くの⼭には異彩を放つ巨⼤なゴミの最終処分場がそびえ⽴ち、長年霞⾨村で暮らす⽚⼭優(横浜流星)はこの施設で働いている。昔に村で父親が起こした事件の汚名を背負い、その罪を肩代わりするようにして⽣きる優には、⼈⽣の選択肢など残されておらず、母親の抱える借金の支払いに追われる日々を送っていた。しかし、幼馴染の美咲(黒木華)が東京から戻ったことを機に物語は動きだしていく。

今回解禁となったのは、閉ざされた「村」を舞台に、きれいごとだけでは⽣きていけない人々のリアルな姿を演じたキャスト陣の、それぞれに重厚な⼈間ドラマが感じさせる新場⾯写真。藤井組初参加となる古⽥新太は、霞⾨村の村⻑として豪腕を振るう修作を演じる。夜霧が漂う美しい霞⾨村に似合わないゴミ処理施設を半ば強引に誘致した修作は、施設を利⽤してヤクザの丸岡と共に不法投棄にも⼿を染めていく。余裕がない村の運営といったきれいごとだけでは済まされない厳しい現実や、長年にわたり村⻑を排出してきた⼤橋家の一員としてのプレッシャ―、絶対的な権力を持つ⺟との確執といった葛藤を密かに抱える修作。それでも彼は村⻑として圧倒的な権⼒を誇⽰し続ける。

自身が演じる修作の役柄を「コンプレックスの固まりで虚勢を張って村⻑になっている。でも物語が進むにつれ、完全なる悪役じゃなくなっていって…」と明かす古田は監督と会話を重ねながら、変動していく物語にあわせて修作を演じていったという。穏やかな雰囲気をまといながらも、どす⿊い何かが腹の底で渦巻いているようなオーラで、観るものの背筋が凍らせる怪演を披露した。

そんな修作の息⼦として⽗の権⼒を笠に好き放題する透を演じるのは、一ノ瀬ワタル。力づくで全てを自分の思い通りにしようとする透は、問題を起こしてばかりで、父親である修作にもどこか⾒限られている。そのことに気がついている透はさらに⼒を見せつけるようになっていくが、そんな透にも譲れないある想いがあった。もともとプロの格闘家であった⼀ノ瀬ワタルは、“あるアクションシーン"を⾒事に演じ切っている。そんな一ノ瀬は、横浜とのアクションシーンを「僕もキックボクシングをしていたし、横浜さんも空⼿の世界チャンピオンで『なにも遠慮せずに来てください』と全部を受け⽌めてくれて。安⼼感もあってすごくやりやすかったです。チーム⼀丸となって 実践できたシーンです」と振り返る。今回はそんな透と優が一触即発状態でにらみ合う場面写真も公開されている。

何代にもわたり村⻑を排出する⼤橋家の母親であり、絶対的権⼒者であるふみ(木野花)は、病によってほぼ寝たきり状態でありながらも絶⼤な⼒を誇る。明らかとなった場⾯写真には、真顔のふみの前であえて宴会を⾏う優らの姿が。本来、弟の光吉(中村獅童)を村⻑にしたいと考えていたふみの顔色を、現村⻑である修作は常に伺い萎縮してしまうほどの権力を持つ。わずかなセリフと少ない登場シーンでありながらも木野は、不穏な気配を漂わせ物語の緊張感をさらに加速させていく役割を担った。

ヤクザの丸岡(杉本哲太)は、修作の弱みにつけ込んで借⾦を抱える⿓太(奥平⼤兼)らをゴミ処理施設へと斡旋し、不法投棄を⾏わせている。優の⺟、君枝(⻄⽥尚美)も丸岡から多額の借⾦を抱えており、丸岡は優に同情しながらも、⺟⼦ともども⾷い物にしていく。到着した場面写真にはサングラスに⾦のネックレス、激しい⼊れ墨が掘られた腕を堂々と⾒せつける丸岡の姿が収められており、恐怖心を煽るかのような笑顔が印象的な写真になっている。

ギャンブルに溺れ、多額の借⾦を抱える優の母親、君枝を演じたのは、⻄⽥尚美。過去に起きた事件によって、精神を蝕まれた彼女は酒とギャンブルに溺れてしまう。そんな彼女は息子に対して申し訳無さは感じつつも、現状を打開できずに借⾦を重ねていく。西田は、ある意味一番優を苦しめている存在ともいえる母親、君枝を演じた。やつれた君枝がどこか怯えたような表情で、酒の空き⽸が転がるなかタバコを⽚⼿に空を⾒つめる姿を捉えた場⾯写真が解禁となった。

あわせて、映画公開を記念し数量限定の⼊場者プレゼントが配布されることが決定。横浜流星が演じる優のビジュアルを使⽤したポストカード型の⼊場者特典「⼊村許可証」カードが先着順、数量限定で公開初日の4⽉21⽇(金)から3⽇間限定で配布される。裏⾯には、プレゼントが当たる「ヴィレッジ」⽬撃キャンペーンのQRコードが記載されおり、本作にまつわる問題に答えて応募すると、抽選で主要キャストが集合するポスタービジュアルのクリアファイルなどのプレゼントが当たる。応募期間は、4⽉21⽇～4⽉30⽇までとなっている。

閉塞的な村で生きる人々の生きづらさをを通して現代社会の闇を映しだした本作。はたしてダークサイドへと堕ちた優は唯一の希望を守り抜くことができるのか。結末を劇場で見守りたい。

文/高木郁