マリオが繰り広げる大冒険『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』、アクションにクギ付けになる『聖闘士星矢 The Beginning』など週末観るならこの3本!

コラム

マリオが繰り広げる大冒険『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』、アクションにクギ付けになる『聖闘士星矢 The Beginning』など週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は任天堂の人気ゲームをもとに描く3Dアニメーション、地球を守るため戦うことを選んだ青年の始まりの物語、年齢も立場も違う2人が数学の世界を通じて生きる希望を見いだすヒューマンドラマの、胸を熱くさせる3本。

「マリオ」をまるごと映画化…『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(公開中)

【画像を見る】キノコ王国に迷い込んだマリオの大冒険を描く『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
【画像を見る】キノコ王国に迷い込んだマリオの大冒険を描く『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』[c]2022 Nintendo and Universal Studios

アクションゲームの金字塔「スーパーマリオ」シリーズを映画化した3DCGアニメーション。不思議な世界に迷い込んだ配管工のマリオ(声:宮野真守)とルイージ(声:畠中祐)は、キノコ王国のピーチ姫(声:志田有彩)を花嫁にしようとするカメ族の大魔王クッパ(声:三宅健太)に立ち向かう。本作の魅力はキャラやイベントを含め「マリオ」をまるごと映画化していること。ゲーム原作映画には、余計なドラマや設定を無理やり加えた「それじゃない感」が漂う作品が少なくないが、本作はゲームに則したシンプルなストーリーを奇想天外なアクションでつないだ割り切った作り。個性あふれるキャラたちが、陸海空でスリル満点の大冒険を繰り広げるゲームの世界が満喫できる。

3DCG作品だけにグクグリ動くカメラなど全体の絵作りは3D版だが、画面が横にスクロールする2Dマリオの楽しさが味わえるのも嬉しい。躍動するキャラやイマジネーション豊かな世界観は映画そのものの魅力であり、そういう意味で本作は、ファンはもちろん「マリオ」を知らなくても楽しめるピュアなエンタメ作なのである。(映画ライター・神武団四郎)

日本発のアクション作品の大いなる序章…『聖闘士星矢 The Beginning』(公開中)

車田正美による人気コミック「聖闘士星矢」を実写映画化した『聖闘士星矢 The Beginning』
車田正美による人気コミック「聖闘士星矢」を実写映画化した『聖闘士星矢 The Beginning』[c]2023 TOEI ANIMATION CO., Ltd. All Rights Reserved

1985年から週刊少年ジャンプに連載され、アニメ化を経て世界的大ヒット作となった人気コミックス「聖闘士星矢」が、満を持してハリウッド製実写アクション映画として完成。原作コミックスでは、聖闘士を目指す少年たちの群像劇的な展開を、実写映画版では星矢と女神アテナの生まれ変わりであるシエナとの関係性に集約。これから広がっていくであろう壮大な展開の序章として描いている。

「アテナの守護者である聖闘士」という基本設定は踏まえつつも、細部の設定やストーリーを大胆にアレンジ。アテナの持つ強大な力を巡る謀略的な要素を加え、聖闘士同士のバトルだけに留まらない、聖衣の技術の軍事利用などの新規設定や解釈変更は、ここから作品に触れる新規層にとってはハードルが下がっているが、原作、アニメファンからは賛否両論を呼びそうだ。聖闘士が見せるアクションに関しては、ジャッキー・チェンのスタントチーム出身で、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(21)にも参加していたアンディ・チャンがスタントコーディネーターを担当。日本が誇るアクション俳優・千葉真一の血を引く、星矢を演じる新田真剣佑のアクション的才能を引きだしており、高いポテンシャルを発揮する迫力のアクションシーンは大きな見所となっている。日本発の新たなアクションスターが世界へ羽ばたく姿を目撃してほしい。(ライター・石井誠)


簡単には行くことのできない“不思議の“国…『不思議の国の数学者』(公開中)

数学を通し現実に失望しかけた2人が人生を見つめ直していく姿を描く『不思議の国の数学者』
数学を通し現実に失望しかけた2人が人生を見つめ直していく姿を描く『不思議の国の数学者』[c]2022 showbox and JOYRABBIT INC. ALL RIGHTS RESERVED.

朝鮮半島の南側に位置する韓国にとって、北朝鮮は同じ言葉を話し、地続きの場所にあるにもかかわらず、簡単には行くことのできない“不思議の“国だ。

韓国映画のパワーを日本に知らしめた『シュリ』(99)以来、『オールド・ボーイ』(04)、『悪いやつら』(13)といった作品でアクの強い演技を見せてきた俳優チェ・ミンシクが久しぶりに人間味あふれる等身大のキャラクターに扮した今作は、厳しい受験戦争に押しつぶされそうになっている高校生と北朝鮮からやってきた男が出会い、互いに掛け替えのない存在となっていくまでを温かく描き出すヒューマンドラマ。人生に希望を持てない若者が意外な「師匠」と出会うことによって進むべき道を見つけていくという鉄板のストーリーと軍事境界線によって分断されたふたつの国の関係がうまくブレンドされている。(映画ライター・佐藤結)

映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて。

構成/サンクレイオ翼

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