故カール・ラガーフェルドへの愛が大爆発?メットガラでいろんな意味で話題をさらったセレブたち
「全米が泣いた、ならぬ全米が割れた」対決
ベストドレスとワーストドレス!の声が同時にあがり、賛否両論な議論を呼び起こしたルックがこちら。
●ジャネール・モネイ
確かに、ホワイトとブラックのカラーパレット、そしてラガーフェルドのデザインの真髄でもある“ドラマ”をよく表現しているルックではあるが、「楽しい」「ジャネールらしさ満開」という意見と、「どこがカールかわからない」「スイムルックがちょっといただけない」と、意見が真っ二つに割れた。レッドカーペットのど真ん中でお色直ししたパフォーマンスそのものは高評価なものの、モネイの「これは芸術の実験でもあるんです」というコメントのとおり、ちょっと独創的すぎたのか?「そのルックでどうやってガラのテーブルに着席するの?」という意見もあったが、お着替えしてちゃんと座れていますので、ご安心を!
●カイリー・ジェンナー
カーダシアン&ジェンナーファミリーご一行様でレッドカーペットに登場したカイリー。「ドレス、かわいい」「レッドが目立ってよい」との声の一方、「全くスペシャルじゃない」「ジェシカ・ラビットが来たかとオモタ」という意見も。「どこがラガーフェルドかわからない」という声もあり、それについては実は最初に着用していたレッドと裏地がブルーの、ドレスにマッチしたケープにエピソードが隠されていたようなのだが…。ただ、そのアイテムを脱いじゃったから、ドレスだけで判断されてしまったというのはあるかも。それぞれのルック、あなたはどう感じた?
カール・ラガーフェルドの愛したパール対決
ラガーフェルド個人が愛用したのは、シルバーのクロムハーツだが、デザインモチーフとして愛したのはパールであることは周知の事実。そのパールを主役に添えたルックを選んだセレブとは?
●キム・カーダシアン
自慢のウエストを強調したブラッシュサテンのコルセットドレスはオートクチュールで、実に5万個もの淡水パールがあしらってある。しかし、ガラ終了後のホテルへ戻る際に、このドレスが壊れて、パールが道路に散らばりまくったのだとか。まだパールがドレスにくっついていた時、「カールといえば、CHANELパールですから」とインタビューで答えたとおり、「娘(9歳になるノース)に、これ本物のパールだから拾って!」とお願いしたそう。デザイナーにとってはいとも簡単に壊れちゃうルックはネガティブキャンペーンだけど、バズって何度も報道されるから、帳消しってところかしら?新たなパール伝説をつくっちゃうなんて、このお方、本当に話題を生む天才よね。
●ヤング・マイアミ
パフ・ダディことショーン・コムズと連れ立ってガラに出席したマイアミも、パールが象徴的なルックをチョイス。確かに、何連にも重ねたパールアクセサリーは、ココ・シャネルから受け継いだラガーフェルドのスタイルではあるものの、きもーち位置が下すぎた?メイドのエプロン感が出ちゃったかも。フラワー(おそらくカメリア)モチーフの大きな襟にもかけるか、パールに主役を譲るか、と潔さが必要だったかも。
●リル・ナズ・X
待っていました、リル・ナズ様!やはりあなたは裏切らない!!シルバーのTバックにボディペイントを施したバースデースーツ(産まれたままの格好、つまりほぼ裸の意)という出で立ち。シュペットにオマージュを捧げた、と言うとおり、ネイルとアイ(というよりフェイス)マスク、そしてファング(牙)はネコスタイルを踏襲。ネイルにももちろんパールを配し、それよりなによりボディ全体に、クリスタルやパールをあしらった。パールを取り入れるアイディアは、誰でも思いつきそうだけど、自分自身がパールのついたにゃんこジュエリーそのものになっちゃうとは!ここまで突き抜けたリル・ナズがパール対決の勝者!
ウェディング・ファッション対決
クチュールショーの最後を、ウェディングドレスやガウンで締めることで知られていたラガーフェルドなだけに、それぞれのウェディングスタイリングで出席したゲストもちらほら。そのなかで、ラガーフェルドのクリエイションとめでたく“結婚”できたのはどのセレブ?
●アルトン・メイソン
インタビューで、自身がCHANELのショーを歩いた初の黒人男性モデルであることを明かしたアルトン。カールへの感謝と愛を伝えたくて、ブライダルルックを選んだそう。主催者のアナ・ウィンターが、「カールはファッションに対して前衛的に挑み、自己を通じて表現することを恐れないデザイナーだった」と、と過去にふれたとおり、アルトンもそんなマインドを受け継ごうとしたのだろう。確かに、アルトン以外にこのスタイルを着こなせるメンズは多くはないものね。
●アレクサ・チャン
「(Amazonの)アレクサ、アレクサ・チャンになにかあったの?」。ファブリックの繊細さと美しさに感動して、コットンレースやクロチェット(かぎ針編み)などを活かしたというが…どうした、おしゃれ番長アレクサ!
●エル・ファニング
CHANELといえばカメリアだが、ファニングが選んだのはデイジー。それをフラワークラウン(冠)にして、ヴィヴィアン・ウエストウッドのビスポークウェディングガウンと合わせた。インタビューで明かしたのは、なんともスウィートなラガーフェルドとの思い出。秀でたフォトグラファーでもあったラガーフェルドとの初仕事の時、ファニングは13歳。彼女を撮影する際に、デイジーで作った花の冠を頭に乗せ、黒のジャケットを肩にかけてくれたのだそう。そんなスタイリングとエピソードの両方で、ロマンチックにルックを演出した。同じく、優れたブライダルルックを多くデザインしたことで有名なヴィヴィアン・ウエストウッドを選ぶあたりも、ファッション偏差値高し!よって、祝福のベルは、もっともラブリーなマリアージュを魅せたエルにもたらされた。
文/八木橋 恵