花澤香菜、『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』朱と歩んだ10年間を思いだし「自然と涙があふれた」
人間の心理状態を数値化し管理する近未来社会を舞台に、正義を問われる警察機構を描くオリジナルアニメーション「PSYCHO-PASS サイコパス」。シリーズ最新作となる『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』の公開記念舞台挨拶が5月13日にTOHOシネマズ日比谷で開催され、花澤香菜、関智一、野島健児、佐倉綾音、山路和弘、塩谷直義監督が登壇した。
10周年を迎えたシリーズ最新作であり集大成となる本作。『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__』(19)とテレビアニメ3期をつなぐエピソードとして、これまで語られなかった物語を紡ぐ。
常守朱役の花澤は「試写で観た時には、胸がいっぱいになってしまって10年間、朱ちゃんと歩んできた道のりを思いだして自然と涙があふれてきてしまったんですが、2回目、昨日大きいスクリーンで観た時はもっともっといろいろなことを発見できました」としみじみ。「エンディング・テーマの『当事者』の歌詞が、聞けば聞くほど染みてくるので、最後まで楽しんでいただければと思います」とアピールした。
狡噛慎也役の関は「本作と(2019年に放送の)テレビアニメ3期で、狡噛と朱の話はひと段落しているのですが、まだ朱がこの後どのようにシビュラシステムに挑んでいくのか、どのように世の中が変わっていくのかというところが気になってくるかと思います」と切りだし、「皆さんの応援があれば、また新しい『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズも観られるのではないかと思いますので、ぜひ映画をたくさん観ていただいて、たくさん楽しんでいただいて、今後も応援していただければと思います」と呼びかけた。
「現状、日常でいろいろな問題があったりするなかで、本作は未来の作られた物語なのに、いまとリンクしているところがおもしろいと感じています」とシリーズの魅力を語ったのが、宜野座伸元の野島。「1回観ただけでももちろんおもしろいんですが、僕は体感上、2回観たほうがおもしろかったです。そしてもっともっと観たほうが、また新しい発見があるかと思いますので、何回でも劇場に足を運んでください」と力を込めた。
霜月美佳役の佐倉も、「『PSYCHO-PASS サイコパス』を10年間追いかけてきた方こそ、楽しめるような作品にもなっていると思います。ぜひ劇場のスケールで、この映像美を楽しんでいただきたいですし、もしお時間が許せば、何回か観に行っていただいて、新しい発見を見つけていただけたらうれしいなと思います」とリピート鑑賞をオススメ。
雑賀譲二役の山路は、「もうだいぶ前ですが、初めて朱ちゃん(花澤)と接した時に、なにも知らないお嬢さんという感じだったんです。それからずっとあの印象が残っていたのですが、別の現場で会ったときにはすごくしっかりした大人の女性という感じで、すばらしい演技をされていて、本当にうまい子っているんだなとつくづく感心しました。花澤香菜にはやられました」と花澤の成長に思いを馳せる。
塩谷監督は「この映画は常守朱、狡噛慎也、雑賀譲二と、みんながみんな想いや意志を持って生きております。先ほど花澤さんも仰っていましたが、エンディング・テーマを担当されたEGOISTさんが書いてくださった『当事者』という曲は朱の思いを込めて作っていただきました。もう映画を観終わった皆さんは朱の思いを受け取って、みんなの思いも感じていただいたので、皆さん自身が当事者になったと思います。また作品を応援していただければと思います」と会場に語りかけていた。
文/成田おり枝