『宇宙人のあいつ』ではつかみどころのない土星人に…!いま改めてハマりたい、中村倫也の離れられない甘くて苦しい魅力

コラム

『宇宙人のあいつ』ではつかみどころのない土星人に…!いま改めてハマりたい、中村倫也の離れられない甘くて苦しい魅力

俳優業のみならず、近年は初の写真展「童詩×蓑唄 写真展2023」を開催し、エッセイの連載を行うなど幅広く活躍する中村倫也。日本テレビアナウンサーの水卜麻美との結婚を発表し、大きな話題を呼んだことも記憶に新しい。そんな彼が主演を務める『宇宙人のあいつ』が5月19日より公開中だ。注目を集めているいま、中村の魅力について改めて論じてみたい。

【写真を見る】つかみどころのない、沼のような中村倫也の魅力
【写真を見る】つかみどころのない、沼のような中村倫也の魅力[c]映画「宇宙人のあいつ」製作委員会

きっと、いつの間にか出会っていた中村倫也という存在

気がついたら、中村の活躍をいろんなところで見るようになっていた。もうずっと前から活躍していたような気がする。そんなふうに感じている人も多いのではないだろうか。事実、過去のドラマや映画を観ていると「こんなところにも中村倫也!」と驚くかもしれない。

俳優デビューは2005年の映画『七人の弔』。今年で役者歴19年目を数える。では、ブレイクのきっかけはなにだったのかというと、2018年のNHK連続テレビ小説「半分、青い。」ではないだろうか。永野芽郁演じるヒロインの楡野鈴愛から恋心を寄せられる朝井正人役を演じた。

「半分、青い。」以前にも連続テレビ小説では2005年の「風のハルカ」に出演。大河ドラマにも「天地人」と「軍師官兵衛」に出演している。中村を最近知ったという人でも、よく日本映画やドラマを観ている人ならば、知らずのうちに出会っていたはずだ。温和な笑顔、穏やかな話し方、どこかつかみどころがないような空気感。作品に溶け込んでいるからこそ、多くの人はナチュラルにその存在を受け止めているに違いない。

「ちぎりパン」のような俳優としての魅力

真田家次男の日出男役でユーモラスな一面を発揮している
真田家次男の日出男役でユーモラスな一面を発揮している[c]映画「宇宙人のあいつ」製作委員会

近年は映画、ドラマ共に話題作に出演。それも主演級がずらり。多くのファンを惑わせた作品の一つが、2019年放送のドラマ「凪のお暇」で演じた“メンヘラ製造機”とも呼ばれるモテ男子のゴン。来るもの拒まず、男女問わず優しく接する、いわゆる”人たらし”というやつだ。ただ「誰にでも優しい=特別な人はいない」ということで、関わった女性のほうがドツボにハマッていってしまう役どころ。ヒロインの凪(黒木華)には「どんな味が食べられるか楽しみなちぎりパンのような人」と称されていた。

関わった相手を廃人にしてしまうかどうかは別として、「ちぎりパンのような人」という表現は中村本人にも当てはまるような気がする。つみどころがないという点では2021年の「珈琲いかがでしょう」で演じた青山一もハマっていた。移動珈琲販売店を営み、様々な街を転々としながら、店に訪れる人を言葉と珈琲で癒す青山は、いつでも会えるわけではなく、心惹かれたらいなくなってしまう。次に会える約束ができない、好きになってはならないタイプの人間と言える。

飄々とした役もとても魅力的だけど、「この恋あたためますか」で演じたクールでなにかを企んでいそうな社長、浅羽拓実役も非常によかった。役柄のうえだけとはいえ、完璧なだけではないのがまた沼だ。

「石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー」での高卒の弁護士、羽男こと羽根岡佳男は、自身の弁護士としての能力に自信が持てないキャラクター。半人前がバディと出会い、一人前へと成長していく。時折見せる、ある意味ポンコツな様子がキュート。それがまた彼にとってのコンプレックスだとわかると、母性本能をくすぐられてしまいそうだった。

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