三石琴乃&林原めぐみ『美少女戦士セーラームーン』で激闘!「最後の敵になれて本当に幸せ」お互いへの信頼感を告白
劇場版『美少女戦士セーラームーン Cosmos』前編公開記念舞台挨拶が6月10日に丸の内TOEIで開催され、三石琴乃(エターナルセーラームーン/月野うさぎ)、林原めぐみ(セーラーギャラクシア)、水樹奈々(セーラー火球/火球皇女)、早見沙織(セーラースターメイカー/大気光)、 佐倉綾音(セーラースターヒーラー/夜天光)、高橋知也監督が登壇した。
武内直子による同名漫画を原作とした「美少女戦士セーラームーン」シリーズ最終章となる“シャドウ・ギャラクティカ編”を前後編の2部作で描く本作。すべてを破壊しこの宇宙をも支配しようと目論む新たなる敵“シャドウ・ギャラクティカ”に次々と仲間が狙われ、セーラームーンが再び戦いに身を投じていく。
1992年にアニメ「美少女戦士セーラームーン」が始まって以来、主人公のセーラームーン/月野うさぎを演じ続けてきた三石は、「前編の収録はおよそ2年前。コロナもあって大変でしたが、こうして客席にお客さんがいて、映画が上映できて安心している気持ちでいっぱい。感謝の気持ちでいっぱいです」としみじみ。「最終章が幕を開けました。最終章だからといって役作りに特に気合を入れるというわけではなく、いままで通りのセーラームーンをやっている」というが、「一つシーンが終わるたびに『これでまた残りが少なくなったな』とかみ締めながら、大事に大事に収録してきた」と胸の内を明かしていた。
シャドウ・ギャラクティカの頂点に君臨し、銀河最強の破壊力を持つ“破壊の戦士”、セーラーギャラクシアを演じた林原は、キャラクターに合わせてゴールドの衣装と赤いコンタクトを装着。「まさかの最後の敵になれて本当に幸せです」と微笑み、会場を笑わせた。「『セーラームーン』は多くは関わってはいませんが、傍らにいてくれた作品」と切りだし、「90年代を走り抜けた自分の仕事の忙しさや、琴ちゃん(三石)の頑張りだったり、私が直接演じたわけではないですが、皆さんが『セーラームーン』というワードで思い出す景色が十人十色あるように、私のなかにも景色がある。30年近く皆さんを支えてきた作品の、最後のセーラー戦士として戦うにあたり、存分に楽しませてもらおうかなと思った。そして存分に楽しませていただいた」とシリーズへの想いを口にして、大きな拍手を浴びた。
長らく共演経験のある三石と林原は、劇中で激闘を繰り広げる役どころを演じた。2人一緒にアフレコができたという。「30年来の『セーラームーン』ファン。『セーラームーン』の監督をやれたことが人生のなかで一番光栄な出来事」という高橋監督は、「2人の掛け合によって、三石さんもタガが外れてきた。盛り上がっていく感じがあった。2人の掛け合いを間近で見られて、僕も背筋が…。『怖い!』という感じになった(笑)」と三石と林原の演技の迫力に震えたと告白した。
三石は「普段なんでもないところで会えば、普通の話をする。でもそれぞれ(キャラクターには)背負っているものがあるので、スタジオに行ったらお互いにそれをまといつつ、役の空気感を持ってスタジオにいた」と述懐。一方の林原も「収録となったら、ほぼ口をきかない。それはお互いでわかっていること。勝手知ったる(仲)なので」と並々ならぬ信頼を寄せながら、「収録が終わったら、琴ちゃんが『おもちゃ、好きなものを持っていって』と言ってくれたりと、三石琴乃と林原めぐみに戻ってから和んだ時間があった。
スタジオでは『この2人、マジで仲が悪いんじゃないか』という感じ。楽しかった」と三石と笑顔を見せ合った。さらに「なにも琴ちゃんのことをわかっていなかった」と本作の共演で新たに三石について発見があったと続け、「琴ちゃんのお芝居をいろいろと浴びているけれど、うさぎちゃん(を演じる三石)を聞いた時に、『どうしてそんなにピュアをずっと持っているの』と思った。『このピュアにやられるものか』と思った」と惚れ惚れとしつつ、ギャラクシアとして闘争心も芽生えたと語っていた。
水樹は「ここにいられることが幸せ」とファン心理を爆発させ、「歴史のある作品で、ファンの皆様の愛が詰まった作品。その期待を裏切らないように、これだ!という火球を演じられるようにというプレッシャーもありました。一言一言、大事に魂を込めて演じさせていただきました」とコメント。「夢のような瞬間」だという早見も、「絶賛、“ごっこ遊び”をしていた世代。お話をいただいた時は信じられない気持ちで感動しました。井上麻里奈さん、綾音ちゃんと3人で収録ができた。2人に信頼と絆を感じながら掛け合いができた」と心を込めた。佐倉は「この作品に関わることになって、履修してハマってしまった。いま“ごっこ遊び”がしたい」と話し、会場も大爆笑。それぞれがシリーズへの愛をたっぷりと熱弁し、三石は「これだけエネルギーの方たちが集まって、この辺りの磁場が歪んでいる気がする」とにっこり。「終わりに近づいてはいますが、アフレコもワンシーン、ワンシーン想いを込めて進んで行った。寂しくもあるけれど、充実感も伴っている」と晴れやかな表情で語っていた。
※高橋知也監督の「高」は「はしごだか」が正式表記
取材・文/成田おり枝