「最後の冒険で手にする本当の宝物」ハリソン・フォードが挑む、最後のインディ・ジョーンズ…映画人たちのコメントから物語を紐解く!

コラム

「最後の冒険で手にする本当の宝物」ハリソン・フォードが挑む、最後のインディ・ジョーンズ…映画人たちのコメントから物語を紐解く!

1981年公開の第1作『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』以来、アクション・アドベンチャー映画の定番として支持されてきたハリソン・フォード主演作「インディ・ジョーンズ」シリーズ。インディ最後にして最大の冒険を描く第5作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が公開中だ。考古学者にして冒険家インディ・ジョーンズ博士の活躍を描く本シリーズ、今作は古代ギリシアで作られたという「アンティキティラ」にまつわる物語。神に匹敵する力を秘めるというこの装置を巡り、インディはナチスの残党と激しい争奪戦を繰り広げる。本稿ではそんな物語の見どころを、「インディ・ジョーンズ」ファンの映画人たちから寄せられたコメントと共に紐解いていく。

【写真を見る】最新技術によって再現された若き日のインディ・ジョーンズの姿は感慨深い!
【写真を見る】最新技術によって再現された若き日のインディ・ジョーンズの姿は感慨深い![c]2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

※本記事は、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。

「出だしからフルスロットル!」オープニングから“インディ節”のアクション炸裂

「インディ・ジョーンズ」のお楽しみがオープニングシークエンス。スリル満点のアクションで観客の心をがっちりつかみ、そのまま本編に突入していく展開はシリーズのトレードマークだ。本作のオープニングは第二次世界大戦末期、若き日のインディがアンティキティラやのちに宿敵となるユルゲン・フォラー(マッツ・ミケルセン)と出会うエピソードが描かれる。ドイツ兵に扮したインディが敵陣へと潜入し、銃撃戦やカーチェイス、列車の上で格闘を繰り広げる派手なアクションは圧巻だ。

本作ではマッツ・ミケルセンがインディの宿敵となるユルゲン・フォラーを演じる
本作ではマッツ・ミケルセンがインディの宿敵となるユルゲン・フォラーを演じる[c]2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

10歳の時にスティーヴン・スピルバーグの『E.T.』(82)と出会い映画監督の存在を意識したという映画監督の清水崇は、このオープニングに度肝を抜かれたという。「出だしからフルスロットル!…時代なのか!? 見どころ多過ぎて目まぐるし過ぎるぞぉお!!」と20分を超えるシリーズ史上最大規模の幕開けに興奮を隠さない。

本編に入ると時代は1969年の“現在”。スクリーンには、小さなアパートでひとり暮らしをしている年老いたインディが映しだされる。昼間からパーティで盛り上がる若い隣人をどなりつけるなど気骨を見せるが、マリオン(カレン・アレン)とはすでに離婚をし、教鞭をとっていた大学も退職するなど私生活は寂しげだ。そんなインディが研究仲間で親友のバジル・ショー(トビー・ジョーンズ)の一人娘ヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)と再会したことから再び大冒険に巻き込まれる。このインディ復活劇に清水はなにより心を打たれたそう。「そんな悲哀を感じさせる、インディの老体に鞭打った全ての冒険と栄光に拍手。興奮醒めやらぬ青春と少年の心をありがとう!!」


インディの親友バジル・ショーの一人娘ヘレナを演じるフィービー・ウォーラー=ブリッジ
インディの親友バジル・ショーの一人娘ヘレナを演じるフィービー・ウォーラー=ブリッジ[c]2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

フォラーからアンティキティラを守るため、ヘレナと共にカイロから地中海に向かうインディ。狭い路地でのカーチェイス、危険な海底探査、パズルを解いていくような遺跡の捜索、そしてクライマックスの空中戦など「インディ・ジョーンズ」ならではの見せ場がスリルとアクション、ユーモアを交えて描かれる。スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』(18)に出演した、俳優、アーティストの森崎ウィンは、そんなインディらしさに圧倒されたという。「子供の頃ミャンマーで夢中になったインディ・ジョーンズ。もうね、ドキドキハラハラが止まらない」と絶賛。「秘宝や遺跡の罠、子供の頃インディと一緒になって映画の中で冒険していた頃を思い出しましたね!」と熱い想いを語ってくれた。

「インディ・ジョーンズ」シリーズは、それまでスタントと特殊効果が支えてきたアクション・アドベンチャーに視覚効果を本格導入。撮影現場では不可能な大がかりなスペクタクルを盛り込んで、このジャンルの魅力を押し広げた。森崎はそんなビジュアル面の進化にも魅せられたという。「1981年の第一作目に比べれば時代が進み、映像技術の飛躍的な向上を感じられる本作。その映像美も相まって、久々のインディ・ジョーンズはまたもや冒険に没入させてくれました。僕の冒険心をくすぐり、新しい事にチャレンジする勇気をもらった一作になりました」

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