ヤンキーとは無縁の高杉真宙。喧嘩っ早い「東リベ」千冬との共通点は「不器用でまっすぐなところ」 - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ヤンキーとは無縁の高杉真宙。喧嘩っ早い「東リベ」千冬との共通点は「不器用でまっすぐなところ」

インタビュー

ヤンキーとは無縁の高杉真宙。喧嘩っ早い「東リベ」千冬との共通点は「不器用でまっすぐなところ」

「最初は千冬のことがよく理解できなかった」

そもそも高杉自身は、ヤンキーのような不良とは無縁の人生。本作の関係者に聞いても「高杉さんは本当に優しい人です」と口を揃える。「そうなんです。僕、優しいんです(笑)」と本人も冗談めかしつつ、「でも思ったよりも千冬と似ているところも多いらしくて。僕、自分のことわかんなくなっちゃいました」と笑顔で明かす。

「原作のキャラに寄せるよりも、キャストそれぞれの気持ちを大事にお芝居しました」
「原作のキャラに寄せるよりも、キャストそれぞれの気持ちを大事にお芝居しました」撮影/YOU ISHII

「一度こうだと思ったらまっすぐ突き進んじゃうところは、自分でも似ているなと思います。ちょっと頭の悪そうな感じとか(笑)、不器用な感じも似ていますね。ただここまでの不良役はやったことがなかったですし、最初は千冬についてよくわからない部分も多かったです。歩き方からしてポッケに手を突っ込んで、大股であごを上げてっていうのが、最初はどうしても不慣れで。両手両足を一緒に出しているような違和感がずっとありました」


悩む高杉に、英監督は「千冬は思ったことを脳から“直出し”だから。あとは気合。まだ気合が足りないね」と頼もしいアドバイスを送ったそう。「監督からそう言われた時は『まだ俺、気合が足りないんだ』と正直焦りましたが、そこから千冬=気合と思って、とにかくすべて気合で乗り切りました!千冬の目的は東京卍會から芭流覇羅に寝返った場地さんを奪還することと、(今回バディ関係になる)タケミチをフォローすること。『目的はその2つだけでやってます、俺!』みたいな感じで(笑)。それが脳から直出しってことかなとも思いました」

同学年のタケミチとはバディとして共に奮闘
同学年のタケミチとはバディとして共に奮闘[c]和久井健/講談社 [c]2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

時にノープランでガンガン突き進んでいこうとする千冬は、シリーズ1作目のタケミチを彷彿とさせるようなまっすぐさも魅力。そのまっすぐさは大事な仲間の場地を想うからこそでもある。「千冬は真面目に不良をやっているから好きです。これまで半グレみたいなキャラクターは演じたことがありますが、やっぱり気持ちの持ちようがどこか違うんです。千冬の言動は“仲間を守るため”という、その一心ですから」

芭流覇羅との決戦ではタケミチと助け合いながら激しいバトルを繰り広げる
芭流覇羅との決戦ではタケミチと助け合いながら激しいバトルを繰り広げる[c]和久井健/講談社 [c]2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

千冬として生き生きとスクリーンを躍動する高杉だが、当初は新キャラクター、しかも原作でも人気の高いキャラクターを演じることにプレッシャーも感じていた。「最初にお話をいただいた時はうれしさしかありませんでした。でも衣裳合わせをしていくなかで、監督やプロデューサーさんから『千冬は人気のキャラだからね!』というプレッシャーのかけ方をされて、『一旦考えたいな』と思ったり(笑)。しかも高校生役ですからね!」

ご存知の通り、高杉だけでなく本作のメインキャストは全員20~30代。だが「完成作を見て、違和感みたいなものがいっさいなかった」と自信をのぞかせる。「皆当然のように成人年齢を超えている男性たちなんですが、そこはまったく気にならなかったです。もちろんあれだけ人気のある原作なので、元のキャラクターは皆大事にしていたと思いますが、原作のキャラに寄せるという想いよりも、それぞれが気持ちを大事にお芝居をしていたという印象のほうが僕は強かった。皆の想いが役に投影されていて、そのバランスが最高によかったんだろうなと思います。個人的には場地さんと千冬の教室での出会いのシーンは、場地さんのお茶目さが出ていてよかったですね」

「決戦」では千冬と場地の出会いも描かれる
「決戦」では千冬と場地の出会いも描かれる[c]和久井健/講談社 [c]2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

前編から約2か月空いての公開。クライマックスを待ち望んだファンに対しては、「2か月間、待ってくださってありがとうございますという気持ちです」と率直な言葉も。「前編で散りばめられていたものは、すべてこの後編で回収されます。大げさでなく、回収に次ぐ回収で、最初から最後までずっと勢いが続いていく楽しさを是非劇場で感じてほしい。僕も後編ではよく叫ぶな…って思いながら、思いっきり叫んでいます!」

取材・文/遠藤薫

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