祝30歳!のんが語る、映画に託した想い「言いたいことがセリフなら言えた」
「私にとって表現することに喜びを感じることは、生きていくうえで必要」
表現せずにはいられない。そのことはのんのイキイキとした張りのある言葉や、『Ribbon』の劇中の「世の中の人たち達みんな、芸術なんかなくたって生きていけるんだって」という、いつかの反語のようなセリフが象徴的に伝える。
「私は、芸術がなかったら生きていけないと思います。『身体が動いて食べてれば生きていける』って言われたら、そりゃそうなんですけど。『あまちゃん』をやる前に、役が決まらなくて鬱屈していた時期があったんですが、その時不安になって妹に電話で『私、この仕事してなかったら、どうしていたと思う?』って聞いたことがあるんです。そしたら、『その辺で、のたれ死んでいたと思う』って言われまして(笑)。それぐらい、私にとって演技したり絵を描くことが好きだったり、表現することに喜びを感じることは、生きていくうえで必要なことなんですよね」。
そんなのんが、表現することに喜びを感じるようになったのは幼稚園児の時まで遡る。「節分の日に、鬼の絵を描く時間があったのですが、みんなは赤とか青とか緑とかのカラフルな鬼を描いていたんですよ。でも私は一番カッコいい鬼にしたくて、黒だけで描いたんですが、そしたら私の鬼だけが絵の展覧会で飾られたんです。すっごいうれしくて。このことが自信になって、絵を描いたり表現することが好きになりました」。
「“好き”を追求したり、大切にすることが、自分を豊かにするんじゃないかな」
6月28日には高橋幸宏とのコラボ楽曲「Knock knock」も収録した、2nd Full Album「PURSUE」をリリース。音楽活動だけでなく、次なる監督作の構想もあるというのんの“好き”は止まらないし、様々な形でこれからも発信され、受け取った人たちを笑顔にするに違いない。そこで最後に聞いてみた。“好き”を仕事にするにはどうしたらいいのか?
「う~ん、難しいですね。『さかなのこ』では、自分の“好き”を大切にすれば、生活が豊かになっていくんだなということを実感しました。それがすぐ仕事に繋がるわけではないので難しいけど、自分の“好き”に敏感になることは大切だと思います。それをどんな風に好きなのか、自分の気持ちに目を向けてみると、同じようなものでも好きなものと嫌いのものとが明確になってきますよね。そんな風に自分の“好き”を追求したり、大切にしていたら、それが自分を豊かにするんじゃないかと思うんです。あ~難しい! 難しい質問だった(笑)」。
取材・文/イソガイマサト
日本映画専門チャンネル 2023年7月26日(水)、27日(木) 19:00〜
【放送作品】
『Ribbon』
『さかなのこ』
「オフィス3○○舞台『私の恋人』」
「オフィス3○○舞台『私の恋人beyond』」
■日曜邦画劇場「Ribbon」
日本映画専門チャンネル 2023年7月16日(日) 21:00〜ほか
■日曜邦画劇場「さかなのこ」
日本映画専門チャンネル 2023年7月23日(日) 21:00〜ほか
※放送の詳細については公式サイトにてご確認ください。