ついに“ゴーストフェイス”がNYに出現!スラッシャーホラーの代名詞『スクリーム』の25年
田舎町ウッズボローに暮らす若者たちと、彼らを執拗に付け狙う黒装束に白いハロウィンマスクの連続殺人鬼ゴーストフェイスとの攻防を描き、1990年代に大ブームを巻き起こした“青春スラッシャーホラームービー”の代名詞「スクリーム」シリーズ。その正統続編でもあるリブートシリーズの最新作『スクリーム6』のBlu-rayが、現在好評発売中。これまでのシリーズの歴史を一気におさらいしていこう。
『鮮血の美学』(72)や『エルム街の悪夢』(84)などスラッシャーホラーの名手ウェス・クレイヴン監督がメガホンをとり1996年に公開された第1作『スクリーム』(96)は、1400万ドルの制作費ながら全世界で1億7000万ドルを超える興収を記録する大ヒット。その2年後を描いた『スクリーム2』(97)とさらなる続編『スクリーム3』(00)で一度シリーズは完結。それから10年以上を経て、『スクリーム4 ネクスト・ジェネレーション』(11)として再始動を迎えた。
その後、さらなる続編が制作される予定だったものの、脚本作業の難航などでなかなか実現には至らず。テレビシリーズの放送開始直後にシリーズの生みの親であるクレイヴンが亡くなったことなどから、続編企画が立ち消えとなってしまう。しかし数年の月日が流れ、プロジェクトは再び動き始める。世界的な新型コロナウイルスのパンデミックで制作の延期に見舞われながらも、ネーヴ・キャンベルやコートニー・コックス、デイヴィッド・アークエットらオリジナルキャストが再集結。シリーズ復活を待ち望んだ熱狂的なファンの期待に応えた。
2022年1月に全米で公開され、当時歴史的大ヒットを記録していた『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(21)を興収ランキングの首位から陥落させる大金星を勝ち取った『スクリーム5』の舞台は、第1作で描かれた事件から25年後のウッズボロー。ティーンエイジャーのタラ(ジェナ・オルテガ)のもとに、不穏な電話がかかってくる。この一連は、第1作の冒頭シーンを再現。続編でありながら、シリーズの原点回帰でもあることを証明しファンを沸かせた。
家のなかへと侵入してきたゴーストフェイスによって襲われるタラ。なんとか一命を取り留めたものの、この事件を期に連続殺人鬼がまたしてもウッズボローの若者たちを標的にしていると知った元保安官のデューイ(アークエット)は、かつての事件の生き残りであるシドニー(キャンベル)をウッズボローに引き戻す。そこにデューイの元妻のゲイル(コックス)も加わり、ゴーストフェイスに挑んでいく彼らは、やがて犠牲者たちにある共通点があることに気が付くことになる。
そして2023年3月に全米で公開され、シリーズ最高のオープニング興収を叩きだした最新作『スクリーム6』では、これまでのカリフォルニア州ウッズボローから大都市ニューヨークへと舞台を移し、ゴーストフェイスとの新たな戦いの火蓋が切って落とされる。前作に引き続き『イン・ザ・ハイツ』(21)のメリッサ・バレラがカーペンター姉妹の姉サムを演じ、「ウェンズデー」(Netflixにて配信中)のジェナ・オルテガが妹のタラを演じるほか、自ら製作にも名を連ねるコックスは6作続けて登場。
ゴーストフェイスの魔の手からなんとか生き延び、ニューヨークで新たな生活を始めたタラと姉のサム(メリッサ・バレラ)のカーペンター姉妹と、ミンディ(ジャスミン・サボイ・ブラウン)とチャド(メイソン・グッディング)。しかし街中や地下鉄内がハロウィンのために仮装した人々でごった返すなか、2人は地下鉄の車内で“あの姿”を再び見つけてしまう。
ニューヨークの街を恐怖に陥れるゴーストフェイスの狙いとは。オリジナルファンが楽しめる仕掛けはもちろん、神出鬼没のゴーストフェイスの恐怖に、これまでシリーズに触れてこなかった世代でも虜になること間違いなし。是非ともこの夏は、「スクリーム」シリーズをイッキ見して涼しいひと時を過ごしてみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬