「トランスフォーマー」愛が炸裂!中島健人&仲里依紗が語る、映画館で観る醍醐味とアフレコにかけた想い「生半可な気持ちでやってない」
「声だけで表現しないといけない難しさを感じました」(中島)
――今回はそんな大好きな「トランスフォーマー」のアフレコですから、すごく興奮されたと思います。本作で一番力が入った、熱くなったセリフを教えてください。
中島「熱くなったのはやっぱり戦闘シーンですね。僕は実写映画の吹替えが初めてだったので、どうすればいいのかわからない部分も多かったんです。特に戦闘シーンは『ウワ~!』って叫んだりするから、すごい喉を使うんですよ。しかも僕が今回声を担当した主人公のノアは、後半に意外な姿で戦闘に参加するので、これまでの『トランスフォーマー』シリーズの登場人物とは違うアプローチで声を出さなければいけなくて。そこは自分との戦いだったし、巨大な悪に向かって戦いに行くので、遠くにまで声を届けることを意識しました。靴を脱いで、全身を使ってアフレコしましたからね。あとは弟のクリス(ディーン・スコット・バスケス)とのシーンかな?」
――弟のクリスと約束するシーンですね。
中島「そうです。ほかにもミラージュ(ノアの相棒になる、964型ポルシェ911シルバーからトランスフォームするオートボット)とのシーンは、飲み友達を誘うような感覚で呼びかけたり、彼のことを大切に思っているのを伝えなきゃいけない場面があったり、いろんなニュアンスが必要で。声だけで表現しないといけない難しさは、今回声優を初めて務めて感じたことです」
――声をスムーズに使い分けることはできましたか?
中島「『ビーストウォーズ』を長年演出されていた音響監督の岩浪美和さんがディレクションしてくださったので、なんとかできました。それに里依紗さんのアフレコを聞かせてもらって、『ヤベ~、これに追いつかなきゃいけないんだ!』という、その時の焦りもプラスに働いたのかもしれないです」
仲「やめて!照れる~(笑)。私が声を担当したエレーナは、たぶんニューヨークから出たことのない女の子だったので、この映画での戦いは彼女にとって初めての大冒険だったんじゃないかなと思っています。でも、それぐらい大変なことに巻き込まれながらも、研究者でもあるから専門用語をけっこう早口で言わなきゃいけないところがあるんですよ。演じていて熱くなったのはそこですね。専門用語は苦手だけど、早口でよどみなく喋って、頭がいい子に見えるように頑張りました(笑)」
――特に言い難かった専門用語は?
仲「えっ、なんだろう?」
中島「『ヒエログリフ(神々の言葉の文字)』とか?」
仲「あ~、それだ!ほかにもそういう用語がいっぱいあって、台本にちゃんと書いてあるけれど、喋るのが難しかったな(笑)」
――仲さんも中島さんが吹き込んだ声を事前に確認されたりしたんですか?
仲「私は中島さんより先のアフレコだったんですよ。でも、インタビューの前に中島さんの声が入った映像を見せてもらったら、初めてとは思えないぐらいすごく上手でビックリしました」
中島「マジですか?」
仲「歌で基礎があるからか、声がきちっと通っていたし。すごく聞きとりやすいなと思ったんですけど、本当に初めてなんですよね?」
中島「初めてです」
仲「アニメーションとかもやったことないの?」
中島「ショートアニメをほんの少しやったことがあるぐらい」
仲「なのに、スゴい!ノアはずっと出ているし、アクションもいっぱいあるからすごく大変だったと思うけれど、初めてとは思えなかった」
――先ほどお話に出た岩浪さんは、アグレッシブな演出で知られていますけど、今回のアフレコではどうでしたか?
中島「生半可な気持ちでやってないですよっていうことをアピールしたくて、僕は今回アフレコの時にメガトロンのフィギュアを持って行ったんですよ。で、『メガトロンのファンなんです。「ビーストウォーズ」のあの空気感が好きなんです』って岩浪さんに伝えたら、『君は変な人だね』って言われました(笑)」
仲「変な人?(笑)」
中島「そうなんですよ。岩浪さんも相当変わった方だと思うんですけどね(笑)。ただ、本作はけっこうシリアスな話だから、あんまり柔軟にふざけられるシーンが実はないんです。だから、岩浪さんが本作の特別映像を作る時にめちゃめちゃ本気でふざけてきて。その映像では、ナイトバード役の柚木涼香さんやオプティマスプライム役の玄田哲章さんと共演をさせていただいたんですけど、アドリフで芝居する箇所もけっこう多くて、僕も何回『セクシーサンキュー』って言ったかわからない(笑)」
仲「え~?(笑)」
中島「岩浪さんならではのアドリブ合戦で。テレビアニメ版『ビーストウォーズ』の次回予告も、本当にふざけまくった無法地帯みたいな状態でしたから。そのオマージュみたいな感じの特別映像なんですけど、『ビーストウォーズ』の世界観に入らせていただけたのはすごくうれしかったですね」
仲「私は、岩浪さんに『バンブルビーに乗ってるの~?』って聞かれたのが印象に残っています(笑)。あと収録するのがめちゃめちゃ速いんですよ。自分の録りたいプランがしっかりしているので、『もう回してました。はい、OK!』って言われて、『速っ、嘘?』って思うことが多かったです。いろんなパターンを収録する監督がほとんどなんですけど、岩浪さんは無駄がゼロ。だから私たちもやりやすかったですし、岩浪さんの格好もそうだけど、ベテランの方ということが全身から伝わってきましたね」
中島「あの甚兵衛みたいな服ね」
仲「そうそう、その風貌からして、不思議な空気感でした」