ホラーマニアも震撼した『ブギーマン』…スティーヴン・キングが描いた、底知れぬ恐怖
「少年少女時代へのノスタルジーをベースに、子どもの頃から怖かったものを描いている」(ナマニク)
西川「原作はスティーヴン・キングによる1973年の『子取り鬼』という短編小説で、これを『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のプロデューサーであるショーン・レヴィが率いる、21ラップス・エンターテインメントが製作して映像化したのが本作です」
ナマニク「確かに、『ストレンジャー・シングス』はテイストが近く感じますね」
西川「そういう意味では、『ストレンジャー・シングス』もキング作品から影響を受けているんでしょうね」
ナマニク「ノスタルジーというか、少年少女時代の思い出をベースに、子どもの時に怖かったものを描くという感じですね」
清水「リアルタイム世代の僕にとって、1980年代ってめちゃくちゃダサい時代のような印象があるけれど、僕より下の世代にはいま、ウケていますよね」
西川「80年代リバイバルというか」
清水「ですね。ダサい時代であることには変わりはないんですが、一番思い入れのある時代でもあります」
西川「なるほど。では、清水監督のお好きなキング作品はなんでしょうか?」
清水「『スタンド・バイ・ミー』です。ホラーじゃないけれど(笑)。原作も映画も大好きで、思い出の1本です」
野水「私は映画化されたものしか観ていないのですが、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『デッドゾーン』が大好きです。独特の寂寞感(せきばくかん)があって、クリストファー・ウォーケンの悲しい瞳があって、切ない終わり方をする。『なんていい映画なんだ!』と何度も号泣しながら観ている作品ですね」
ナマニク「僕のイチオシは、SF短編小説の『ジョウント』。キングらしさの出ているすごく怖い作品です。詳細はネタバレになるので避けますが、本当におもしろいので読んでほしいです」
西川「僕は『ニードフル・シングス』か『キャリー』です。『ニードフル・シングス』の不穏な世界観となんとも言えないエンディングに漂う終末感。学生の時に観たんですが、思春期に観るとトラウマになるというか、なんか嫌なものを観ちゃったという感じがあるのがすごく好きで、強烈に印象に残っています。『キャリー』はブライアン・デ・パルマ監督がいろいろなテクニックを使って怖がらせてくるところも含めて大好きです」