『禁じられた遊び』橋本環奈と重岡大毅が明かす、ホラー映画の舞台裏「現場は本当に明るかった」
「監督も優しくて、ピリピリ感はまったくない現場でした」(重岡)
――ファーストサマーウイカさんのお名前も出ていましたが、美雪めちゃくちゃ怖かったです。
橋本「本当にすごかったですよね。特に印象に残っているのは直人の家の庭でのシーン。美雪が蘇るところとか、恐怖でしかない。逃げなきゃいけないのに見入ってしまって逃げきれない、どういう動きをするのか分からないのでゾッとする怖さがありましたし、すごく惹きつけられるものを感じました」
重岡「比呂子への敵意の向け方も怖かったし、目とか喋り方も、思わず『わー、怖っ』って声が出ちゃうくらい。モンスターだと思ったし、僕は美雪が苦しんでいるシーンに凄みを感じました」
橋本「ウイカさんは本番直前まで笑って話し合っているのに、撮影が始まった途端に切り替わって怖いお芝居をするんですよね!」
重岡「そう(笑)。めちゃくちゃ喋りまくっていたはずなのに、急に美雪になっていて。あの切り替えが一番怖いかも」
橋本「誰よりも早く入って、4時間くらいかけて特殊メイクをして…。みんなが帰ったあとには、また数時間かけてメイクを落とすという」
重岡「夏の山では蚊とも戦ってたよね。がんばってたなぁ、ほんまに」
――撮影現場は、笑いの絶えない明るい雰囲気だったのでしょうか。
橋本「すごく自然で平和でした!1ミリもピリピリしてなかった気がします」
重岡「中田監督もすごく優しかったですし、ピリピリ感はまったくなかったと思います」
橋本「ホラーって撮らなきゃいけないカットも多いですし、体力的にも大変なはずなのに、撮影は巻いて終わることがほとんどでした。でも、そんななかでもウイカさんは過酷だったと思います」
――特殊効果も多いので、完成映像でシーンの答え合わせをするようなところがありますよね。想像力を働かせての撮影はいかがでしたか?
重岡「台本には『目がギョロギョロ』などと説明が書いてあるんですが、はじめは想像つきませんでした」
橋本「中田監督は『目ギョロ』っておしゃってましたよね。そのシーンになると大きい声で表現してくれるんですが、毎回タイミングが分かるように『ギョロー!!』ってキューを出してくださって。それがすごくおもしろかったです(笑)」
重岡「言ってた!(中田監督のモノマネをしながら)ギョロー!って(笑)」
橋本「そうそう。笑っちゃうので『ギョロー、いらないです』って途中から断るようにしていました(笑)」
重岡「もったいない(笑)」
橋本「運転中、目の前にカラスが襲ってくるというシーンの撮影でも『ドーン』『バーン』と監督の効果音があって。声がものすごく大きいんです」
重岡「なのに、確認の声が小さいんです 」
橋本「そのギャップが良いんですよね」
――いまは優しいイメージをお持ちかと思いますが、当初中田監督にはどのような印象を持っていましたか?
橋本「初めてお目に掛った時は雰囲気が怖そうだったので、衣装合わせの時はあまり砕けないでおこうと思い割と真面目なトーンで喋っていたけれど、すぐに『絶対優しい方』って気づいてしまって (笑)。そこからすぐに距離が縮まりました」
重岡「中田監督っていうと“世界の”とか“『リング』の”とか“巨匠”といった単語が浮かぶので、身構えていたけれど…」
橋本「全然、そういう圧のようなものはなくて、『大丈夫だよね?』って訊いてくださって。すごく委ねてくださるやり方で。本当に演じやすかったです」
重岡「僕たちはイメージできていなくても、監督の頭のなかには正解の映像がある。それを丁寧に説明してくださって本当にありがたかったです」