保志総一朗、「ガンダムSEED」新作劇場版で挑んだ20年ぶりのキラ・ヤマト役に手応え「全然違うキラになった」
「ガンダムSEED」シリーズ最新作の劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(2024年1月26日公開)の公開を記念して、本日より全国約50館で連続上映される「機動戦士ガンダム SEED & SEED DESTINY」の特別総集編「スペシャルエディション HD リマスター」。その先陣を飾る「虚空の戦場」の前夜祭が24日、新宿ピカデリーにて開催。主人公のキラ・ヤマト役の声を務めた保志総一朗が舞台挨拶に登壇した。
特別総集編「スペシャルエディション HD リマスター」では、C.E.71からを描いたテレビシリーズ「機動戦士ガンダム SEED」全48話を3部作に、C.E.73からを描いたテレビシリーズ「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」全50話を4部作に再構成。C.E.75を舞台にした完全新作ストーリーが描かれる劇場版に向けて、これまでの軌跡をスクリーンでたどることができるファン垂涎の機会となる。
今回のイベントが劇場版の公開決定後に初めて公の場で「ガンダムSEED」について語る機会となった保志は、会場に詰めかけた大勢の熱狂的なファンの姿に「歴史を感じますね」としみじみ。放送から20年を経たいまも愛され続けるキラ・ヤマトについて「キラはちょっと捻くれた部分はあるけれど、友だち想いの良い奴だと思います。過酷な環境下に急に置かれて、よく乗り越えたなと温かく見守っていました」と愛情たっぷりに語る。
さらに当時のエピソードとして、「アフレコ現場には錚々たるメンバーがそろっていたので、みなさんのすごい演技を肌で感じながら、がんばらなきゃと思っていた。緊張感がすごかったので、戦場のようでした」と回想。毎回アフレコに行った際に次回の台本を渡されていたとのことで、「気になって仕方がないけれど、作っていると純粋なお客さんとして楽しめないので、せめて台本だけは新鮮な気持ちで読みたいという思いがあった。なかにはもらってすぐ読んじゃう人もいたから、常にネタバレを回避する戦いもありました(笑)」と懐かしんだ。
舞台挨拶の終盤では、ラクス・クライン役の田中理恵からサプライズでボイスメッセージが流れ、会場からは大きな歓声が。すると保志は「ラクスの初登場シーンぽくって、田中理恵ちゃんが(会場に)出てくるのかと思っちゃいました」と笑みを浮かべ、「理恵ちゃんとはラクス以外でも関わることが多かったのですが、揺るがない凜とした風格があって久しぶりにラクスがいたと思いましたね」と、新作劇場版のアフレコ収録時のエピソードを披露。
そして「すべてがネタバレに繋がるから…」と言葉を選びながら、「すごく感慨深いことで、毎年のようにキラのセリフを言う機会はありますけど、新たなキラのセリフは初めてで身が引き締まる思いでした。20年経っていますが、僕なりの“いまのキラ”として演じたので、また全然違うキラになったと同時に懐かしさも感じてもらえると思います」と語り、「劇場で『SEED』と『SEED DESTINY』を楽しんで、来年の『SEED FREEDOM』も楽しみにしてください!」と呼びかけていた。
取材・文/久保田 和馬