批評家のジャッジは?実写版「ONE PIECE」を海外メディアはどう評価したか

コラム

批評家のジャッジは?実写版「ONE PIECE」を海外メディアはどう評価したか

尾田栄一郎の世界的人気コミックを実写ドラマ化したNetflixシリーズ「ONE PIECE」が、8月31日に全世界配信を迎え、はやくも世界各国で話題沸騰中。本日発表のNetflix週間グローバルTOP10(英語シリーズ)(集計期間: 8/28-9/3)では堂々の1位スタートとなり、世界配信開始からわずか4日間で1850万VIEWSを達成、世界93か国でTOP10入りを果たした。また、日本国内の週間TOP10でも1位を獲得しており、これは歴代の英語シリーズ作品のなかでも「ストレンジャー・シングス 未知の世界」に続く2作目の快挙となる。

そんな実写版「ONE PIECE」を、目の肥えた海外の批評家たちはどのように観て、どのように評価しているのだろうか?映画やテレビドラマの評価を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」に寄せられた海外の批評家たちのレビューから紐解いていこう。

全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画やテレビドラマ、テレビ番組などの評価を集積する「ロッテン・トマト」では、レビューに込められた賛否を独自の方法で集計。それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”を用いて表されており、ひと目で作品評価を確認することができる。中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん、業界関係者からも高いお墨付きを得ている人気サイトだ。

「ロッテン・トマト」での批評家からの好意的評価のスコアは84%!
「ロッテン・トマト」での批評家からの好意的評価のスコアは84%!Netflixシリーズ「ONE PIECE」全世界独占配信中 / [c]尾田栄一郎/集英社

9月6日時点で「ONE PIECE」には43名の批評家からのレビューが寄せられており、そのスコアは84%。好意的な批評が多い作品に与えられる「フレッシュ(新鮮)」なトマトが輝いている。具体的には36名の批評家が好意的なレビューを、7名の批評家は否定的なレビューを寄せているという状態だ。

まず否定的なレビューからチェックしていくと、CNN.comのブライアン・ロウリーは、過去にNetflixで制作された日本のマンガ原作の実写ドラマの失敗例を引き合いに出しながら、「既存のファンはこの冒険に熱狂する可能性は高いが、(新規ファンの)スタート地点としては不十分」と懸念を述べ、ローリング・ストーンのアラン・セパンウォールも「個々のエピソードが肥大化しているように感じる」と、キャラクターの描き込みと世界観やストーリーとのバランスの悪さを指摘。


全8話でどんなストーリーが描かれているのか?
全8話でどんなストーリーが描かれているのか?Netflixシリーズ「ONE PIECE」全世界独占配信中 / [c]尾田栄一郎/集英社

昨年連載開始から25周年を迎えた「ONE PIECE」は、これまで話数にして1000話以上展開し、数えきれないほど多くのキャラクターが登場してきた。この実写版に寄せられた否定的なレビューは、各話およそ1時間の全8話にまとまるようにタイトに脚色したことで生じる問題点に難色を示すものが目立っている。また、Varietyのアリソン・ハーマンからは「二次元向けに設計された世界を丹念に再現するという無駄な努力にとらわれている」と、原作漫画の世界観が忠実に再現されすぎたことで、実写ドラマとしての旨味が弱まってしまっているとの意見も。

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