知っていると楽しめる!「スター・ウォーズ:アソーカ」に見る「クローン・ウォーズ」&「反乱者たち」の要素
●ヘラ・シンドゥーラとチョッパー
ゴースト・チームのリーダーであり、彼らの母艦である軽貨物船“ゴースト”の船長でもあったヘラ・シンドゥーラ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)。本作では、反乱運動での功績が認められ、新共和国の将軍となっている。彼女が連絡を取る新共和国の指導者として登場するのがモン・モスマ(ジュヌヴィエーヴ・オライリー)。『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還 (エピソード6)』(83)、『スター・ウォーズ/シスの復讐 (エピソード3)』(05)、「クローン・ウォーズ」、「キャシアン・アンドー」、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)、そして「反乱者たち」にも登場したシリーズにおける重要人物が本作にも姿を見せている。
ヘラの相棒であるアストロメクド・ロイドのC1-10P、通称“チョッパー”も「反乱者たち」の姿のまま登場。第2話では、ゴーストの後部に収容されていたスターファイター“ファントムII”にヘラと共に乗り込み、ドッグファイトをサポートする姿を披露した。そして、第4話ではヘラの息子であり、彼女の恋人だったケイナン・ジャラスの忘れ形見であるジェイセン・シンドゥーラ(エヴァン・ウィッテン)と共に、満を持してゴーストに乗り込んでいる。ちなみに、もう一人のゴースト・チームのメンバーであるラサット族の戦士、ゼブことガラゼブ・オレリオスは、新共和国のパイロットとなっており、「マンダロリアン」シーズン3の第5話でその姿を見せて話題となっていた。ほかのドロイドに比べるとトリッキーな動きが特徴だったチョッパーが、CG技術を駆使して実写でも違和感なくそれが表現されていた。
●“世界の狭間の世界”とかつてのアソーカの師
スローン大提督(ラース・ミケルセン)が送られたとされる銀河への道筋を示す“地図”を奪い合う戦いで、ついにアソーカが敵対するかつてのジェダイ、ベイラン・スコール(レイ・スティーヴンソン)と相まみえた第4話。自身の師であるアナキン・スカイウォーカー(ヘイデン・クリステンセン)を知るベイランを相手に、いつもの二刀流ではなくアナキンの得意としていた構えを見せていた。「クローン・ウォーズ」での、アナキンとアソーカの関係性を思わせる演出となっている。一度は地図の起動を止めたアソーカだが、その時にダメージを負ってしまい、ベイランの攻撃を凌ぎきれずに追い詰められて断崖から転落してしまう。
彼女が目覚めたのは、漆黒のなかにすべての時と空間につながる回廊とも言える“世界の狭間の世界”。「反乱者たち」では、エズラがジェダイ寺院の封印を解除して訪れた場所であり、そこでアソーカは彼に一度命を救われている。「アソーカ」でも再び、世界の狭間の世界に訪れたとおぼしきアソーカは、そこでアナキンと遭遇する。フォースのダークサイドに堕ち、ダース・ベイダーとなったアナキンは、「反乱者たち」でアソーカと刃を交えていた。死の間際にライトサイドに帰還したアナキンとアソーカとの再会は、今後の展開にどのような影響を与えるのだろうか?
全8話の物語も折り返しを迎えた「スター・ウォーズ:アソーカ」。アソーカ、サビーヌ、ヘラにとって大切な存在であるエズラは生きているのか?そして、新たな戦争の元凶となるスローン大提督が銀河に帰還し、帝国が力を取り戻してしまうのか?オレンジのライトセーバーを振るうフォース感応者、ベイラン・スコールとシン・ハティとの戦いの行方は?多くの謎が集約される物語の後半戦も見逃せない!
文/石井誠