「この映画は私自身を描いた物語」『ホーンテッドマンション』監督が明かすルーツと、こだわり抜かれた制作舞台裏
ディズニーランドの人気アトラクションを実写映画化した『ホーンテッドマンション』が9月1日に公開され、週末興行収入No.1のスタートを切った。9月5日までの公開5日間では興行収入約6億円、動員客数40万人以上を記録。メガホンをとったのは、ディズニーランドの元キャストという異例の経歴を持つ監督ジャスティン・シミエンだが、本作には監督の“ホーンテッドマンション”への愛とこだわりがたっぷり注ぎ込まれているようだ。
「簡単に言えば、『ホーンテッドマンション』は私自身を描いた物語でした」
本作の舞台は、999人のゴーストが住む館“ホーンテッドマンション”。想像を超える不可解な出来事が続く館の謎を解き明かすため、個性豊かな心霊エキスパートたちが館に集結する。メンバーたちは、ここでの不気味な体験を通して、館に隠された悲劇的な真実に気づき始める。
人道的なテーマとジャンルを皮肉と共に綴るアンサンブルエンタテインメントに定評があったシミエン監督は、その手腕を本作で発揮することになった。「結局のところ、この脚本に書かれているアドベンチャー、ユーモア、ホラーファンタジーの中心にあるのは、うんざりした内向的な人物が、難しい感情を感じ取り、周囲の人たちに自分の弱さを見せることができるようになるのかどうか、という物語です。私たちが最も恐れているであろう、人生におけるそういった事物に立ち向かう方法を見せながら、観客を楽しませてくれる物語なのです」と捉えるシミエン監督。
「脚本には壮大な映画としてのポテンシャルがありながらも、同時に悲しみを抱きながらどう前進するのかについても語っており、それは私個人の心に強く響くメッセージでもあったのです。簡単に言うなら、あれは私自身を描いた物語でした。必要を感じて社会に対して心の壁を作った人物が、ディズニーの“ホーンテッドマンション”のミステリーに引き込まれ、新たな人生や目標を発見するため、他者と仲良くすることを学ばなければならないのです」と、物語に非常にシンパシーを感じたとか。
そしてストーリーテラーとしてのシミエン監督を成長させたのは、ディズニー映画の功績が大きかったと語る。「ディズニーのアニメーションが公開されるたびに観に行きました。『リトル・マーメイド』、『美女と野獣』、『アラジン』、『ライオン・キング』の余韻に浸りながら帰宅したものです。それらは私にとって特別な経験であり、私はいつも、なぜあれらの映画は完全に別世界に連れだしてくれることができるのだろうということだけでなく、いつか自分もどうやったら観客にそういう体験をさせられるのだろうと考えたものです」。