山田太一の傑作が再映画化!アンドリュー・ヘイ監督作『異人たち』2024年に日本公開決定
1987年に出版され、第1回山本周五郎賞を受賞、日本を代表する名脚本家、作家である山田太一作の長編小説「異人たちとの夏」を、『荒野にて』(17)、『さざなみ』(15)など数々の賞に輝き、世界で絶賛された作品を送り続ける監督、脚本家 アンドリュー・ヘイの手により再映画化した『All Of UsStrangers』が、『異人たち』の邦題で2024年に日本公開が決定した。
アメリカ、テルライド映画祭では、世界初お披露目となるワールドプレミア上映が現地時間8月31日に行われ、「まさに傑作」「(アンドリュー・)スコットと(ポール・)メスカルのセクシャルな化学反応」、「時代を超えた、魂を揺さぶる愛の讃歌」といった絶賛の声にあふれ、早くも“傑作”の声を確かなものにしている本作。
2003年には英訳され、海外でも刊行された原作「異人たちとの夏」は、1988年に大林宣彦監督の手によって、風間杜夫、名取優子、片岡鶴太郎、秋吉久美子の出演で映画化され、大ヒットを記録。時代を超え、いまなお、多くの人々の心に残り、感動を与えるこの傑作小説を、名匠ヘイ監督が見事にアレンジした『異人たち』は、山田のオリジナリティあふれたストーリーに、ヘイ監督ならではの感性あふれる脚色と演出が加えられ、現代のイギリスを舞台とした英語作品として再映画化が実現した。出演にはアンドリュー・スコット、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイらイギリス、アイルランドが誇る名優たちが名を連ね、繊細かつリアリティにあふれ、胸を打つせつなさをたたえた演技で観るものを魅了する。
物語は、夜になると人の気配が遠のく、ロンドンのタワーマンションに一人暮らす脚本家アダム(スコット)が、偶然同じマンションの謎めいた住人、ハリー(メスカル)に出会い、ありふれた日常に変化が訪れるところから始まる。ハリーとの関係が深まるに従って、アダムは遠い子供の頃の世界に引き戻され、12歳の時に交通事故で亡くなった両親が、そのままの姿で目の前に現れる。想像もしなかった再会に固く閉ざしていた心が解きほぐされ、代え難い安らぎの時を過ごすが、その先には思いもしない世界が広がっていた。
あわせて、本作のティザービジュアルが解禁。大都市のタワーマンションに住む孤独な住人を照らす光と、謎めいたシルエットが美しいティザービジュアルとなっており、現実と夢の間、現在と過去のグラデーションを写しだすかのような儚く幻想的な仕上がりに。
山田が生みだし、イギリスを舞台にヘイ監督が新たに蘇らせた世界がどのようにスクリーンに描かれるのか、今後の続報にも注目だ。
文/サンクレイオ翼