『ジョン・ウィック:コンセクエンス』でキアヌの旧友役に大抜擢!ハリウッドアクションに欠かせない真田広之、激しくて華麗な闘いの歴史
トム・クルーズ共演の『ラスト サムライ』で世界的に知られるように
1993年にはテレビドラマ「高校教師」に主演。教え子と禁断の恋に落ちる教師を描いた本作は社会現象を巻き起こし、カンヌ国際映画祭で上映された篠田正浩監督の『写楽』(95)も高い評価を獲得。助演としてドラマを牽引したホラー『リング』(98)は国際的な人気を獲得、静かに生きる武士を演じて共感を呼んだ『たそがれ清兵衛』(02)では役所広司や豊川悦司を抑えて日本アカデミー賞主演男優賞に輝いた。コメディ、シリアスドラマ、ハードボイルド、ミステリーなど多くのジャンルで主役を演じた真田は、日本映画を代表する俳優として定着した。
アクションスター時代、真田は香港映画『龍の忍者』(82)など海外作品にも出演したが、英語圏で本格的な演技に挑戦したのは99年のこと。蜷川幸雄が演出した英国の舞台「リア王」で、唯一の日本人キャストとして道化役に抜擢された。真田を推したのはリア王役で主演を務めた英国の名優ナイジェル・ホーソーンで、95年に蜷川が演出した日本の舞台「ハムレット」での演技が決め手だったという。すでに真田は英語を話せたが、英語で演技をするために発声トレーナーと特訓を重ねており、その経験は後のハリウッド進出でも役だったと思われる。
そして2003年、トム・クルーズ主演の『ラスト サムライ』では十八番の殺陣を活かし剣豪、氏尾を熱演し世界にその名を広めた。また俳優として参加しただけでなく、日本の描写についてのアドバイスを行い作品にリアリティを与える役割も担った。本作を機に海外に主戦場を移した真田は海外では誤解のある日本像を少しでも修正したいと語っており、その後も役や描写について可能な範囲で意見やアイデアを伝えているという。
その後はダニー・ボイル監督の宇宙SF『サンシャイン 2057』(07)、ジャッキー・チェン主演の『ラッシュアワー3』(07)など次々にハリウッド大作に出演。前者はアクションを封印し地球を救うため太陽に向かう宇宙船の船長を好演。キリアン・マーフィ、ミシェル・ヨー、クリス・エヴァンスほかスターを相手に、寡黙な指揮官役で存在感を見せつけた。後者はジャッキー演じるリーの幼なじみで、チャイニーズヤクザの大物ケンジ役。白いスーツに身を包み、日本刀を手に黒服姿のジャッキーと熾烈な死闘を展開!80年代にブレイクし、ハリウッドに渡った日・香アクションスターどうしの熱きバトルは必見だ。