“最も視聴された”ディズニープラスの韓国ドラマ「ムービング」、勢い止まらず!釜山国際映画祭で最多6冠
第28回釜山国際映画祭が最も盛り上がる週末に、第5回アジアコンテンツ&グローバルOTTアワード授賞式が行われた。アジア各国のテレビシリーズ、OTT(オーバー・ザ・トップ、配信サービス)コンテンツなどから優秀作が選ばれる賞で、ディズニープラスで配信中のオリジナルドラマ「ムービング」が最多6部門を受賞した。
アジアコンテンツ&グローバルOTTアワード授賞式は、釜山映画祭のメイン会場である釜山シネマセンター(映画の殿堂)のパブリックスペースを使って行われ、授賞式とレッドカーペットを観覧するために大勢の観客が集まった。レッドカーペットには「ムービング」チームのほか、日本から脚本賞にノミネートされたバカリズム(「ブラッシュアップライフ」)、監督賞にノミネートされた寒竹ゆり監督(「First Love 初恋」)らも登壇した。
「ガンニバル」主演の柳楽優弥はアジアエクセレンスアワードを受賞し、「このような賞をいただき、最近で一番緊張しています。いま『ガンニバル』のシーズン2を撮影していまして、この釜山の地でいただいた評価をプラスに変えたいと思います。関わったスタッフ、キャストすべての人に感謝し、また最高の作品を作って皆さんの前に登場したいと思います」と力強いスピーチを行った。
最多受賞作となった「ムービング」は、知らずうちに特殊能力を持ってしまった子どもたちと、事情を抱えた彼らの親たちが、迫りくる驚異に立ち向かう物語。「ムービング」は最優秀クリエイティブ賞、脚本賞(Kang Full)、主演男優賞(リュ・スンリョン)、新人男優賞(イ・ジョンハ)、新人女優賞(コ・ユンジョン)、視聴効果賞の最多6部門を受賞する快挙となった。8月9日の配信開始より7日間で、“最も視聴されたディズニープラスの韓国オリジナル作品”(注:アメリカではHuluで配信、米以外の世界ではディズニー・プラスで配信)を記録、9月20日に配信開始された18話〜20話のうち、ラストエピソードは韓国、フィリピン、台湾を含むAPAC (アジア太平洋)全域で最も視聴されたシリーズ最終回となったそうだ。
新人男優賞を受賞したイ・ジョンハは驚きつつも、「俳優になることを夢見ていた時、授賞式の舞台に立つのは一体どんな気分なんだろうかと想像していました。とても緊張しているけれど…とてもハッピーです!」と満面の笑みで叫んだ。イ・ジョンハは、当日欠席だった新人女優賞受賞の共演者コ・ユンジョンの代理でトロフィーを受け取っている。コ・ユンジョンはビデオメッセージで「この賞は俳優として初めていただいた賞で、演技への情熱を持ち続ける大きな助けとなると思います。私が演じたヘスのように、前へ進んでいきたいと思います」と謝辞を贈った。
主演男優賞を受賞したリュ・スンリョンは、「ムービング」で最も激しい戦闘シーンを釜山で撮影したことを思い出しながらも、「今日、チームのみんなと一緒に釜山にいられて幸せです」と述べ、原作のウェブトゥーンの作者で脚本を手掛けたKang Fullに対し、「彼はウェブトゥーンでノーベル文学賞を獲れると信じています」とエールを贈った。そして、この壮大な物語を形にした監督やスタッフたちはまさに“スーパーヒーロー”であると賛辞を贈り、「私が演じたチャン・ジュウォンや大人たちは絶望の中で愛を見つけ、超能力を持った子ども達を守ろうとしました。『ムービング』の登場人物たちが持っていた“特殊能力”は、お互いを思いやり共感し合う力だったのです。この美しいドラマを愛し、支持してくれた世界中の視聴者に感謝いたします。皆さんが示してくれた熱い思いこそが“特殊能力”だと言えるでしょう。みなさんの日常にも愛があふれていますように」と心のこもったスピーチを行った。このリュ・スンリョンのスピーチは見事に「ムービング」のテーマを表し、その想いが世界中のファンに届いたことを喜ぶものだった。釜山映画祭で行われたアジアコンテンツ&グローバルOTTアワードは、韓国や国外の映画ドラマ賞の中で最初の賞の一つ。今後行われる各賞でも「ムービング」が席巻していくことだろう。