東京国際映画祭エシカル・フィルム賞受賞作『ミツバチと私』繊細な表情を切り取る予告編

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東京国際映画祭エシカル・フィルム賞受賞作『ミツバチと私』繊細な表情を切り取る予告編

第73回ベルリン国際映画祭にて史上最年少で主演俳優賞を受賞し、第36回東京国際映画祭ではエシカル・フィルム賞を受賞したスペイン映画『ミツバチと私』(1月5日公開)。このたび予告編と、新場面写真、エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン監督のメッセージが解禁された。

【写真を見る】第73回ベルリン国際映画祭で主演のソフィア・オテロが史上最年少の8歳で最優秀主演俳優賞を受賞
【写真を見る】第73回ベルリン国際映画祭で主演のソフィア・オテロが史上最年少の8歳で最優秀主演俳優賞を受賞[c]2023 GARIZA FILMS INICIA FILMS SIRIMIRI FILMS ESPECIES DE ABEJAS AIE

本作は、自分の性別に悩み、本当の自分を探す8歳の主人公と、葛藤しながらも寄り添う家族の物語。ベルリン国際映画祭では、2020年に男優賞、女優賞が廃止され、性別区分のない主演俳優賞、助演俳優賞が新設。主演のソフィア・オテロは、まさにそれを体現する形で、史上最年少の8歳にして最優秀主演俳優賞受賞を成し遂げた。オテロは、約500人の中からオーディションで選ばれた今作が映画初出演となった新人で、子どもが抱える不安や心の機微を繊細に演じる様子は、『ミツバチのささやき』(73)のアナ・トレントを想起させる。

メガホンをとったのはスペイン人監督のエスティバリス・ウレソラ・ソラグレン
メガホンをとったのはスペイン人監督のエスティバリス・ウレソラ・ソラグレン[c]2023 GARIZA FILMS INICIA FILMS SIRIMIRI FILMS ESPECIES DE ABEJAS AIE

本作を手がけたのは、数々の短編を監督し、『Chords』(22)では第75回カンヌ国際映画祭の監督週間で上映された実績を持つスペイン人監督のエスティバリス・ウレソラ・ソラグレン。彼女の輝かしい長編デビュー作となった本作は、ベルリン国際映画祭の銀熊賞に加え、ギルド賞をW受賞した。さらに、第26回マラガ・スペイン映画祭でも最優秀スペイン映画賞を受賞するなど世界各国から注目を集め、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では95点と高い満足度を記録。監督は「家族との関係が、自分探しの旅にどう影響するのかを探りたかった」と語っており、トランスジェンダーの悩みを抱える本人だけでなく、母、祖母ら3世代の視点を交え、それぞれの考えで人生を生き抜く姿を描いた。

第36回東京国際映画祭では、ワールド・フォーカス部門でも仮題『20000種のハチ』として上映され、観客からは「傑作」、「涙が止まらなかった」、「主演の子の演技がすばらしい」といった声が多く上がり、大盛況となって連日満席となった。さらに、今年度新設されたアワード「エシカル・フィルム賞」の第1回受賞作品に選ばれた。

性別に悩むアイトールに家族は葛藤しながらも寄り添っていく
性別に悩むアイトールに家族は葛藤しながらも寄り添っていく[c]2023 GARIZA FILMS INICIA FILMS SIRIMIRI FILMS ESPECIES DE ABEJAS AIE

エシカルとは人、社会、環境を思いやる考え方や行動のことを意味するが、近年ではSDGsに積極的に取り組む企業が増えたことでその認知度が高まり、エシカルに沿った意識行動が、SDGsの目標達成には必要不可欠とされている。本賞は、世界でも注目されるエシカルに特化した部門で、ジェンダー平等、環境、貧困、多様性、差別といった現代の重要な社会テーマに向き合った作品が対象となる。審査委員でエシカルディレクターの坂口真生は選考理由を「一言で言えば優しさ。この映画に出ていたすべての人がすべての人に優しい思いやりを持った一面が見てとれた」と語っている。

解禁された予告編は、主人公のアイトールが「私はなんでこうなの?」とつぶやくシーンから始まる。男の子に生まれたアイトールは、名前や髪型や水着、日々の様々なことに違和感を覚え、自分のことがわからない不安を募らせていく。そんなアイトールに戸惑いを隠せない家族。スペイン・バスク地方の柔らかな光が差し込む緑豊かな美しい自然を背景に、家族に寄り添われながら、私らしく生きていきたいと顔を上げる繊細な表情が映しだされる。

『ミツバチと私』は2024年1月5日(金)より公開
『ミツバチと私』は2024年1月5日(金)より公開[c]2023 GARIZA FILMS INICIA FILMS SIRIMIRI FILMS ESPECIES DE ABEJAS AIE

合わせて解禁となった新場面写真は、養蜂用の防護服に身を包んだアイトールの姿や、休暇でバスクへ向かう車の後部座席で並ぶ兄弟3人、叔母と植物を植えていたアイトールがハチに驚き顔をしかめる場面、ドレスを着たアイトールと母親が鏡を見つめるシーンのほか、池で水着を交換したアイトールと友だちの2ショットのカットなどが収められている。


自分の性別に悩みを抱える主人公を描き、世界中で多くの関心を集めている本作。そんな主人公に優しく寄り添う家族の物語をスクリーンで見届けたい!

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