“サイコパス脳外科医”を演じる染谷将太、自分の想像を超えた役を演じるのは「楽しい」が、オファーの理由はわからない?
12月1日(金)に公開される映画『怪物の木こり』にて、あやしげな存在感を放つ染谷将太。本作は、第17回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した倉井眉介による小説を映画化し、サイコパスvs連続殺人鬼の戦いを描く超刺激サスペンスだ。絵本「怪物の木こり」の仮面を被った何者かが「脳を奪う」という猟奇的な連続殺人事件を発端に、捜査は過去に起こったある事件にたどり着く…。監督は鬼才・三池崇史。そして目的のためなら他者の命を奪うこともいとわない冷酷な主人公・二宮を亀梨和也が演じる。
「非日常を演じられるのは、役者の仕事のおもしろみの一つ」
染谷が演じるのは、二宮の協力者であり、彼の本性を唯一知る脳外科医・杉谷九朗。自身がサイコパスであることに選民思想を抱いており、表面上は医者として社会生活を送りながらも、日々刺激を求めている。観客にとってはある種、二宮よりもわかりやすい危険人物だ。『ヒミズ』(12)の住田祐一や、「寄生獣」シリーズの泉新一など、これまで数多くの作品でひと癖ある役を演じ、印象を残してきた染谷だが、それは本作でも同じくだ。
「杉谷のサイコパス感をどう表現するかについては、監督からそこまで細かな指示はありませんでした。もちろん間合いであったり、動きであったりの演出はたくさんしていただきましたけど。ただ杉谷はストーリーの解説に関わる部分があるので、そういったセリフをどう大切にするか?は話しましたね」。
今作では「サイコパス」という性質を持つキャラクターを演じたが、演じるにあたっての準備や実際の芝居は、どんな役においても変わらないという。
「異質な役を演じることを、おもしろいとは感じています。難しいですけど(笑)。でも、等身大のいたって日常的な役をやるのと、こういうサイコパスの役をやるのと、“お芝居をする”という作業はなにも変わらないといいますか…。だってどの役においても、役の当人は“自分が普通だ”と、“自分はこういう人だ”と思っているはずですから。もちろん役によって取り組み方は違いますけど、異質な役だから芝居の仕方が変わるということはないです」。
ただ、杉谷のような性質を演じるからこそ経験できる、役者としてのおもしろみについてはこう語る。
「シンプルに“非日常”の役じゃないですか。こういう役をやらないと体験しない、絶対に言わない言葉を自分の口から言う。そういう非日常を演じられるのは、この仕事のおもしろみの一つかなと思います」。