官能ショット大放出!ピンク映画が集結する「OP PICTURES+フェス」今年の注目作は?
著名な監督たちのキャリアにおける“出発点”となるなど、日本映画を陰で支えてきたピンク映画。重要な役割を担ってきたものの、上映劇場も限られているため、なかなか作品を観る機会が少ないことだろう。そんなピンク映画を気軽に楽しむことができる「OP PICTURES+フェス2023」が、11月24日(金)からテアトル新宿で開催される。
大蔵映画は1962年に日本初のピンク映画を作り、近年も「OP PICTURES」名義でコンスタントにピンク映画を製作してきた。「OP PICTURES+」は、従来のR18+作品とは別に、描写がまろやかになったR15+バージョンを製作することでピンク映画をより一般に広めようと、2015年からの新たに始まった試み。「OP PICTURES+フェス」はそんなR15+版の作品が一堂に会する貴重な機会となっている。
新人監督たちが手掛けるフレッシュな注目作
全16作がラインナップされている「OP PICTURES+フェス2023」。なかでも注目は「OP PICTURES 新人監督発掘プロジェクト」でフックアップされ、今回が初参戦となる小栗はるひ、東盛直道、木村緩菜、堂ノ本敬太というフレッシュな監督たちが手掛ける個性豊かな作品たちだ。
小栗監督の『快感メモリー 〜三人の今日子〜』は仕事から逃げがちな40歳の女性、今日子のもとに、20歳と30歳の自分が突如姿を現すというファンタジックな世界観が広がるコメディにして人生讃歌。今村日那乃、紫月ゆかり、幾田まちの3名が年齢ごとの主人公を演じ分ける。また母の死により天涯孤独となった女性、太陽(円井萌華)が、顔も知らなかった父とその家族と暮らすことから始まる混乱を、予想できない結末へと収束させる『私の太陽』でも小栗監督はメガホンを握る。
自らの経験を基に執筆を行う小説家の主人公ルミ(葵いぶき)が、小説のため妻に浮気され悩んでいる友人の人間関係に踏み込んでいく姿を描いた『変態の季節』。この作品は、倒錯した性癖が一つの愛の形へと昇華する様子を、東盛監督らしい独特のテンポで描く怪作だ。
『安住の地』は木村監督のピンク映画デビュー作。東京で夢破れ、地元に戻った女性の愛子(水川潤)が、同級生の葬儀でかつて好意を寄せられていた男と再会し、付かず離れずの関係になるが…というストレートな1作。木村監督のピンク映画へのリスペクト、作品への真摯な想いが感じられることだろう。
堂ノ本監督の『復讐は囁きにのせて』は、取引先の社長の妻と夫が浮気していることを知った主婦のナツカ(白石かんな)の復讐を描いた1作。寝取ろうとした社長が声でしかイクことができないことを知ったナツカはASMRサークルに入り、その奥深い世界に触れていくという、ピンク映画に「ASMR」を取り入れた意欲作となっている。