佐々木蔵之介らが体現するスリルと笑いが同居した攻防!ドラマ「マイホームヒーロー」から目が離せない理由をひも解く
恭一に協力を持ちかけ、驚きの行動力を見せ続ける哲雄
物語が大きく動きだすのが第4話だ。ストーカーの存在の虚偽を見破った恭一に、「オマエが延人を殺したんだろう?」と哲雄は詰め寄られるが、その恐ろしい状況でも驚くほど冷静で、嘘がバレないように言葉を選び、恭一の心理に探りを入れていく。ピンチをチャンスに変えるシミュレーションをどこか楽しんでいるようにも見える彼は、恭一が組織から「1週間以内に延人を探せ!さもなければ…」と言われて追い詰められていることを察知すると、思いがけない事件によってそのなかにある個人的な想いまでも知ることになる。
そのうえで恭一に「僕と組みませんか?」と持ちかけるのだが、心のなかでは“僕たち家族が生き残るために残された方法は一つ。証拠をでっち上げ、延人が生きていると偽装する。これしかない”と決断。怒りもショックも、後悔さえも乗り越え、逃げるのではなく、臨戦態勢になるのだから、観ているほうはどんどん前のめりになってしまうのだ。
実際、そこからの哲雄の行動力はハンパない。延人の恋人だったキャバ嬢の響(水上京香)から組織も知らない彼の秘密を入手。恭一と条件付きで共闘関係を結ぶが、ここでもベタなバディものへと雪崩込むことはなく、哲雄に対する疑いを捨てない恭一と、彼をだまそうとする哲雄による一進一退の頭脳戦が激化していくから目が離せない。
なりふり構わない歌仙の胆力にも見える家族の結束力
第5話では、哲雄の指示で歌仙が大学時代の演劇サークル仲間、田端(原田龍二)に依頼し、延人が生きていると見せかける動画を撮影してSNSにアップ。しかし、組織のメンバー、竹田(淵上泰史)らによる調査でフェイクと見破られ、延人の肉片を土に還した植木鉢を疑っていた恭一が哲雄の自宅を訪問。このピンチもまた、歌仙が夫をも欺く驚きの方法でかわし、ガッツポーズを見せたところも印象的だった(第6話)。
一難去ってまた一難の第7話。零花の部屋に付着しているはずの目には見えない血痕や指紋をASLライトで浮かび上がらせ、延人殺害の証拠をつかもうとする恭一と、それに気づき、ミステリーファンだからこそ知り得る知識でスピーディに回避する哲雄。そんな両者の駆け引きがスリリングに、時にコミカルに展開し、零花に仕掛けた恭一の罠を歌仙がなりふり構わない大芝居で阻止するシーンでは家族の結束力と愛すら感じるのだ。
MBS/TBSドラマイズム枠で放送中、MBS 毎週火曜24:59〜 TBS 毎週火曜25:28〜。
TVer,MBS動画イズムで見逃し配信中、ディズニープラスで最新話まで全話配信中。
オフィシャルサイトはこちら