ディズニープラスのオリジナルファンタジーに見る“挑戦”と“王道”。「ワンダーハッチ」の注目ポイントとは?
ドラゴンと特別な絆を築くドラゴン乗りたちによる大迫力の空中バトル
不思議な世界の住人たちも、ファンタジーの重要なエレメント。ウーパナンタには人間のほか、頭が動物で体が人の半人半獣、二足歩行の動物、さらにメルポンなる謎のゆるキャラ風の生き物など多彩な種族が共存している。
そんななか、ひときわ存在感を放っているのがファンタジーの鉄板キャラ、ドラゴンだ。本作に登場するのは、角を持ち巨大な翼で空を飛ぶ定番のスタイル。しかし姿形やサイズは個体によって違っており、同じ種は2匹といない神聖な生き物と設定されている。彼らはドラゴンの声を“聴く”ことができるごく一部の者たち意思を通わせ、“ドラゴン乗り"として特別な関係を築いていく。
雄大な飛行シーンはもちろん、大迫力の空中バトルなど見せ場も多く本作を象徴する存在として活躍する。ウーパナンタの暮らしの端々にもその意匠が見てとれる。なお半人前のタイムはドラゴンの声を聴くことができないが、相棒ガフィンが彼の心を読むことで絆を結んでいて、その理由が物語の鍵となって生きてくる。
運命を変えるボーイ・ミーツ・ガールのストーリー
崩壊しつつあるウーパナンタを救うため、現実世界に迷い込んだアクタを探しに来たタイム。そんな彼がこちらの世界に現れた場所が、ナギの自宅の一室だった(そこには重大な秘密が隠されているのだが…)。ナギはタイムのまっすぐな想いに心を打たれ、アクタ探しに協力する。心地よい自分の世界でまったりと過ごしていたナギとソンが大冒険に巻き込まれ、そのなかで成長していく展開は王道の青春ストーリー。時に傷つき、対立しながら大切なものを見つける彼らの姿に思わず声援を送りたくなる。主人公ナギを演じるのは「ポカリスエット」のCMで一躍話題となった中島セナ、タイムには人気コミックを実写化した『君は放課後インソムニア』(23)で絶賛された奥平大兼。注目の若手俳優によるフレッシュな共演で贈る、ナギとタイムのほろ苦いボーイ・ミーツ・ガールのストーリーにも注目してほしい。
一方で、アクタ役の新田真剣佑は、赤い髪にバンダナというウーパナンタファッションで、ダイナミックなソードアクション、ドラゴンに跨ってのライドバトルと、ハリウッド作品にも負けないアクション&スタントを熱演。ファンタジーならではの見せ場を一手に担う、大活躍を披露する。その端整なマスクは、実写、アニメを縦横無尽に行き来する本作にぴったりだ。
本作のヴィラン、ジャイロにも注目したい。ウーパナンタの破壊を目論み、歴代のレジェンド級のドラゴン乗りを次々に撃破してきた無敵の存在。アーマーに身を包んだデザイン、憎々しげな言葉、謎めいたその目的など“ザ・ラスボス”と呼ぶべき究極の存在だ。