2024年は“地獄の扉”が再び開く…一挙劇場上映の「ヘルレイザー」シリーズの歴史をプレイバック!

コラム

2024年は“地獄の扉”が再び開く…一挙劇場上映の「ヘルレイザー」シリーズの歴史をプレイバック!

“地獄”はニューヨークから宇宙へと拡大!

シリーズ3作目『ヘルレイザー3:ヘル・オン・アース』(92)では、物語の舞台がアメリカのニューヨークへと移る。これまでイギリスで製作されてきた本シリーズは、ここからアメリカ資本となりバーカーは引き続き原作・製作総指揮としてクレジットされ、前作に続いてピーター・アトキンスが脚本を担当。『ワックス・ワーク』(88)のアンソニー・ヒコックス監督がメガホンをとり、後に様々な傑作ジャンル映画を輩出するディメンション・フィルムの第1回作品となった。

ブロンズに封印されたピンヘッドが目を覚ます!(画像は『ヘルレイザー3:ヘル・オン・アース』より)
ブロンズに封印されたピンヘッドが目を覚ます!(画像は『ヘルレイザー3:ヘル・オン・アース』より)[c] 2019 VINE LSE INTERNATIONAL IV, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

新人テレビレポーターのジョーイ(テリー・ファレル)は、救急病院での取材の最中に全身に食い込んだ鎖によって身体が引き裂かれていく男性の姿を目撃。独自の調査を開始した彼は、かつてのカースティの事件にたどり着くことになる。一方、ナイトクラブ“ボイラー・ルーム”のオーナーであるJ.P.(ケヴィン・バーンハート)はギャラリーで不気味なブロンズを手に入れ、ふとしたことでそこに封印されていたピンヘッドを目覚めさせてしまう。そしてピンヘッドが“ボイラー・ルーム”の客たちを次々と虐殺していくなか、その現場にジョーイが駆けつけるのだ。

ニューヨークの街を巻き込んだ惨劇は必見!(画像は『ヘルレイザー3:ヘル・オン・アース』より)
ニューヨークの街を巻き込んだ惨劇は必見!(画像は『ヘルレイザー3:ヘル・オン・アース』より)[c] 2019 VINE LSE INTERNATIONAL IV, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

作品を重ねるごとに徐々にスケールアップしていった「ヘルレイザー」シリーズは、4作目の『ヘルレイザー4:ブラッドライン』でついに宇宙へと飛びだす。引き続き原作・製作総指揮にバーカー、脚本にアトキンスが携わった同作は、編集上のトラブルによって監督が降板となり、“アラン・スミシー”名義になった曰く付きの作品としても知られている。

ピンヘッドが宇宙に進出!(画像は『ヘルレイザー4:ブラッドライン』より)
ピンヘッドが宇宙に進出!(画像は『ヘルレイザー4:ブラッドライン』より)[c] 2019 VINE LSE INTERNATIONAL IV, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

2127年、宇宙ステーション“ミノス”で、ポール・マーチャント(ブルース・ラムゼイ)博士はロボットアームを操作してパズルボックスを解き、ピンヘッドを呼び出す。しかしすぐに宇宙警備隊に拘束された彼は、代々魔道士との戦いを続けてきた自分の血脈とパズルボックスの歴史を語り始める。そして明かされるパズルボックスの誕生の秘話と、時空を超えて展開する地獄。新キャラクターのアンジェリーク(ヴァレンティナ・ヴァルガス)も登場し、壮大な物語が展開していく。

シリーズはここからさらに拡大の一途を辿っていくことに(画像は『ヘルレイザー4:ブラッドライン』より)
シリーズはここからさらに拡大の一途を辿っていくことに(画像は『ヘルレイザー4:ブラッドライン』より)[c] 2019 VINE LSE INTERNATIONAL IV, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

その後も、『ドクター・ストレンジ』(16)のスコット・デリクソン監督が手掛けた『ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ』(00)や、カースティがカムバックを果たした『ヘルレイザー リターン・オブ・ナイトメア』(02)などシリーズが増えていくのに比例して熱狂的なファンが増加。近年では企画開発から10年以上の歳月をかけたリブート版『ヘル・レイザー』(22)が実現し、ドラマシリーズ化も報じられるなど人気が再燃。


なかでもシリーズの人気を確立した初期4作品を一気に劇場で目撃できるのは前代未聞の出来事。是非とも2024年の幕開けは、新年のめでたい空気を一蹴する“地獄”に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

文/久保田 和馬

関連作品