アウシュヴィッツ収容所の隣で幸せに暮らす家族を描く『関心領域』5月に日本公開決定
A24製作、ジョナサン・グレイザー監督の最新作で、第76回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞、第81回ゴールデングローブ賞で作品賞(ドラマ部門)ほか3部門にノミネート、各地の映画祭で数々の賞を受賞した『The Zone of Interest』(原題)が、『関心領域』の邦題で5月24日(金)より日本公開されることが決定した。
本作はイギリスの作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(13)のグレイザー監督が10年もの歳月をかけて映画化したもの。製作は、昨年度のアカデミー賞で作品賞ほか最多7部門を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(22)や、本年度のゴールデングローブ賞でも本作他4作品がノミネートされ、近年の賞レースを席巻している映画スタジオであるA24が担当する。
タイトルの「The Zone of Interest(関心領域)」とは、第二次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド、オシフィエンチム郊外にあるアウシュヴィッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉。本作では、アウシュヴィッツ強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしが描かれる。
第76回カンヌ国際映画祭でプレミア上映されると、「ほかにはない衝撃的なホロコーストドラマ」、「観客はこの冷酷な傑作から目を背けることはできない」、「この映画を観た経験は一生忘れないだろう」と絶賛されグランプリを受賞。その後も第58回全米映画批評家協会賞で監督賞、主演女優賞、第49回ロサンゼルス映画批評家協会賞で作品賞、監督賞、主演賞、音楽賞、第27回トロント映画批評家協会賞で作品賞、監督賞、第44回ボストン映画批評家協会賞で監督賞、脚色賞、非英語作品賞、第36回シカゴ映画批評家協会賞で外国語映画賞、など各地の映画賞を受賞し、第81回ゴールデングローブ賞では最優秀作品賞ドラマ部門、最優秀非英語映画賞、最優秀作曲賞にノミネート。「Time」、「IndieWire」、「Rolling Stone」、「The Guardian」など有力媒体が選ぶ2023年ベスト映画にも選出されるなど、世界中から熱い注目を集め、アカデミー賞ノミネートや受賞も期待がかかっている。
クリスティアン・フリーデル、ザンドラ・ヒュラーらが所長とその家族に扮する本作。衝撃の“夢の生活”を送る一家の行方を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
文/サンクレイオ翼