古川琴音、ホラー映画初主演作『みなに幸あれ』で逃げて、泣いて、叫んで、怒って「こんなに体力を使うんだ」と驚き!

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古川琴音、ホラー映画初主演作『みなに幸あれ』で逃げて、泣いて、叫んで、怒って「こんなに体力を使うんだ」と驚き!

「日本ホラー映画大賞」の初大賞受賞作品である『みなに幸あれ』が長編となって公開され、1月19日にヒューマントラストシネマ渋谷で開催された初日舞台挨拶に古川琴音、松大航也、下津優太監督が登壇。古川が、ホラー映画初出演を果たした率直な感想を明かした。

『みなに幸あれ』の初日舞台挨拶が開催された
『みなに幸あれ』の初日舞台挨拶が開催された

とある村を舞台に、この世界の特異な成り立ちに疑問を持った主人公が行動を起こすも、逆にどんどん追い込まれていく姿を描く本作。「この世界にはある法則が存在する。それを知らないと死ぬことになる…」という得体の知れない恐怖が映しだされる。「日本ホラー映画大賞」にて同名タイトルの短編映画として大賞を受賞した下津優太が監督を務め、商業映画監督デビューをした。会場には、総合プロデュースを手掛けた清水崇も駆けつけていた。

商業映画監督デビューを果たした下津優太監督
商業映画監督デビューを果たした下津優太監督

上映後の会場に拍手で迎えられた登壇者陣。下津監督は「死ぬまでに、商業映画を1本撮れればいいなと思っていた。本当に幸運。すてきなキャストの皆さんと作ることができて、“幸”な2年間だったなと思います」と映画のタイトルにかけて、公開までの年月を振り返り感無量の面持ちを見せた。主演を務めた古川は、今回がホラー映画初出演。「台本を読んだ後に、単なる怖さだけではなく、どこか現実と通じているような、なんか嫌な気持ちになるなという感覚がありました。単なるホラー映画ではないなという感じがした」と特別な感覚を覚えたそうで、「ホラー映画に挑むことが初めて。この作品自体が一つの挑戦なんじゃないかと思ったので、出てみようと思いました」とオファーを受けた決め手について語った。

ホラー映画初出演を果たした古川琴音
ホラー映画初出演を果たした古川琴音

撮影は8日間で行われたとのこと。古川は「『ホラー映画って、こんなに体力を使うんだ』というのが正直な印象です」と初めてのホラー映画に出演した感想を吐露。「私が出す感情が、逃げて、泣いて、叫んで、怒ってという、全部が発散型。日に日に体力が消耗されて。怖いというのももちろん感じるんですが、どんどん飲み込まれてすり減っていくような感じがしました」と劇中の主人公とリンクするような状況もあった様子。下津監督は、脚本の第一稿を書き、出演してほしい俳優の希望リストを作っていたという。「古川さんは、第一候補に入れさせていただいていた。見事にオッケーをいただいた。よっしゃという感じ」と笑顔を見せ、「ワンテイク、ツーテイクでほとんどオッケーを出していた。古川さんだからこそできた映画。現場では『これが本物の女優か』と思った」と古川の演技に惚れ惚れとしていた。

主人公の幼馴染を演じた松大航也
主人公の幼馴染を演じた松大航也

主人公が、松大演じる幼馴染の首に手をかけるシーンがあるが、古川が「松大くんに謝りたいことがある」と告白するひと幕も。「私も一生懸命にやっていて、首を絞める演技をしていると思ったら、本当に絞めていたらしくて。何回もやったんですが、全部撮り終わってから、松大くんが『首を絞めてましたよ』と教えてくれました。ごめんね」と謝罪。「全然大丈夫です。気持ちよかったです」と応じ、古川と会場を笑わせた松大は「古川さんも本気でやられていますし、僕もいい作品がにしたいなという気持ちが強い。最初は(絞める力が)弱かったんですよ。『もっと来いよ!』くらいの気持ちだった。そうしたら終盤、マジで絞めてきた」と次第に本気度がアップしたと明かす。

撮影を笑顔で振り返った
撮影を笑顔で振り返った

ほとんどがワンテイクやツーテイクで撮影が進められたそうだが、下津監督によると「そのシーンだけは2、30テイクくらい撮った」とかなり粘ったと回想。下津監督が「古川さんを追い込みたかった」と芝居を超えたものが見たかったと正直に打ち明けると、古川は「追い込まれました。喉の奥まで『ふざけんなよ』じゃないけれど、そういう汚い言葉がグッと出るのを抑えて、首を絞めていました」と監督の願い通りに追い込まれていたといい、松大は「それがここに出ていたんですね」と首を示しながら、会場を笑わせていた。


最後に「いろいろな感想があって正解。わからないという感覚を楽しんでいただく映画」と呼びかけた下津監督は、「清水監督からは『ニュージャンルのホラーが撮れたね』という言葉をいただいた。ぜひこの新感覚を楽しんでいただけたら」とメッセージ。古川は「私もこの映画を初めて観た時は、すごく笑ってしまった」とにっこり。「なんてカオスな映像なんだろう。触られたことのないようなところをスクッと触られたような、なんて不思議な気持ちになるんだろうと思いながら観た。観た人の数だけ感想が生まれる映画だと思います」と自身も新感覚を味わったと話していた。

取材・文/成田おり枝

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