濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』親娘の穏やかな生活をイラストで表したポスタービジュアル

『ドライブ・マイ・カー』(21)の濱口竜介監督の長編映画最新作で第80回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞した『悪は存在しない』が4月26日(金)より公開される。このたび、本作のポスタービジュアルが解禁となった。

第80回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞したことで、カンヌ映画祭、ベルリン映画祭のいわゆる3大映画祭のグランドスラムをはたし、アカデミー賞を含むと黒澤明以来の快挙を成しとげた濱口が手がける本作。きっかけは、本作で企画、音楽を手掛ける石橋英子から濱口への映像制作のオファーだったという。『ドライブ・マイ・カー』で意気投合した2人は試行錯誤のやりとりを重ね、濱口は「従来の制作手法でまずはひとつの映画を完成させ、そこから依頼されたライブパフォーマンス用映像を生みだす」ことを決断。そうして石橋のライブ用サイレント映像「GIFT」とともに誕生したのが本作だ。自由に、まるでセッションのように作られた本作だが、濱口は「初めての経験だった」と、この映画と音楽の旅に対して語った。本作の主演を務めるのは、当初はスタッフとして参加していた大美賀均。そして、新人ながら鮮烈な印象を残す西川玲、物語のキーパーソンとして重要な役割をはたす人物として小坂竜士と渋谷采郁らが脇を固める。

今回解禁されたポスタービジュアルは、監督の前作『偶然と想像』(21)のビジュアルと同じく、イタリア版ビジュアルのイラストを使用したもの。ごく緩やかに発展してきた長野県、水挽町で⾃然に囲まれ慎ましく暮らす巧と、その娘である花の2人の穏やかな⽣活がイラストで描かれている。

いよいよ今年日本公開を控える本作だが、まだその全貌はヴェールに包まれている。今後の情報解禁にもぜひご注目いただきたい。

文/鈴木レイヤ