映画脚本では8年ぶりの快挙!坂元裕二『怪物』脚本が第75回読売文学賞を受賞。シナリオブックには“決定稿”を完全収録
第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルムの2冠に輝き、興行収入21.5億円の大ヒットを記録した是枝裕和監督作『怪物』(23)。本作の脚本を手掛けた坂元裕二が、本日発表された第75回読売文学賞の「戯曲・シナリオ」部門で受賞した。
大きな湖のある郊外の町を舞台に、子ども同士のケンカを発端に大人たちや社会、メディアを巻き込んだ事態に発展していく様を描く本作。先ごろ発表された第47回日本アカデミー賞では作品賞と監督賞を含む9部門で優秀賞を受賞し、子どもたちを演じた黒川想矢と柊木陽太が共に新人俳優賞を受賞した。
読売文学賞は1949年に創設された、国内唯一の総合文学賞。「小説」「戯曲・シナリオ」「随筆・紀行」「評論・伝記」「詩歌俳句」「研究・翻訳」の6部門に分類されており、映画脚本が「戯曲・シナリオ」部門を受賞するのは『この国の空』(15)の荒井晴彦以来8年ぶり。過去には『GO』(01)の宮藤官九郎、『ゆれる』(06)の西川美和、『かぞくのくに』(12)のヤン・ヨンヒらが受賞している。
2月21日(水)にBlu-ray&DVDのリリースが決定している本作。アウターケース&デジパック仕様のBlu-ray豪華版ならびにDVD豪華版には、撮影メイキングやキャストコメントなどの秘蔵映像やイベント映像が収録された特典ディスクが同梱され、是枝監督の画コンテなどを掲載した全56ページのブックレットなどの豪華特典が封入されている。
そして今回読売文学賞を受賞した坂元による脚本の“決定稿”が完全収録された『怪物』シナリオブックも好評発売中だ。本作の劇場公開時に発売された本書は、映画本編からこぼれ落ちたセリフやシーンなども含まれた貴重な一冊。「MOVIE WALKER STORE」やAmazonほか全国の書店で入手可能だ。
第75回読売文学賞の授賞式は3月4日(月)に東京・帝国ホテルで行われ、第47回日本アカデミー賞の授賞式は3月8日(金)に開催。再び大きな注目を集めること間違いなしの『怪物』。この機会にBlu-ray&DVDとシナリオブックで、その世界をじっくりと堪能してほしい。
文/久保田 和馬