強さと優しさ、弱さも内包した英雄…キラ・ヤマトの視点で『機動戦士ガンダムSEED』のストーリーをたどる
終わりのない戦争を止めるため、再びフリーダムに乗る決意をする
先の大戦後、キラはラクスと共にオーブへと渡り、戦争で受けた心の傷を抱えつつも、オーブ本島近海の孤島で静かに暮らしていた。しかし、謎の集団によるラクスの襲撃事件が発生。これをきっかけに、再びフリーダムガンダムに乗り込み、同じくオーブに身を寄せていたマリュー・ラミアスらと共にアークエンジェルで戦いに向かう道を選ぶ。
ザフトと、ブルーコスモスの新盟主ロード・ジブリールを中心とした地球連合軍との戦いが激化するなか、ミーア・キャンベルをラクスとして仕立て上げ、プロパガンダ政策を行うプラント最高評議会議長のギルバート・デュランダルの動向に疑念を持ち始めるキラ。地球連合軍と同盟を結んだオーブ軍と、新鋭艦ミネルバを擁するザフトとの戦闘にアークエンジェルが介入し、出撃したキラはザフトに復隊し、ミネルバに配属されていたアスランと対立することになる。デュランダルの言葉を信じるアスランを説得することができず、キラは直接対決でアスランのセイバーガンダムを撃破する。
続いて、ベルリンでの地球連合軍によるデストロイガンダムを使用したザフト軍殲滅作戦にもフリーダムガンダムで参戦し、デストロイガンダムを操縦するステラ・ルーシェを止めようとするシンと遭遇。シンは心を通わせたステラを助けようとしていたが、砲撃を止めようとするフリーダムガンダムがデストロイガンダムを攻撃。爆発に巻き込まれたステラが死亡したことから、シンはフリーダムガンダムへの復讐を決意する。
ザフトと地球連合軍の戦闘に介入し続けるアークエンジェルを危険分子と考えたデュランダルは、アークエンジェルを撃沈するためのエンジェルダウン作戦を発動。ここでシンと再び対峙するが、インパルスガンダムの特性を活かしたシンの特殊な攻撃によって、キラはフリーダムガンダムを失ってしまう。一方、エンジェルダウン作戦をきっかけに、アスランはデュランダルの言動に疑念を持ち、ザフトを脱走。キラとも和解する。
キラは新たな機体であるストライクフリーダムガンダムをラクスから受け取り戦いに復帰。デスティニーガンダムに乗り換えたシンと三度対峙するが、機体性能の高さを活かし圧倒するのだった。
その後、ジブリールがオーブに逃亡したことをきっかけに、デュランダルが発動したオペレーション・フューリーにおいてオーブに対するザフトの攻撃が始まると、オーブ軍の援軍としてキラの乗るストライクフリーダムガンダムが参戦。ここでもザフトを撤退させるほどの活躍を見せている。この戦いにおいて、キラをはじめとするアークエンジェルクルーはオーブ軍に正式編入された。
しかし、デュランダルによる人々の遺伝子を解析し、その結果を基に適切な職業に就かせることで個々の差別意識をなくす人類救済計画「デスティニープラン」が提唱され、世界でその是非が問われるなか、戦争の局面は第二次連合・プラント大戦の最終決戦となるメサイア攻防戦へと突入。キラはレイ・ザ・バレルの乗るレジェンドガンダムを退け、ザフトの拠点である機動要塞メサイアへ向かう。そこで、ついにデュランダルと対峙し、人類の未来について意見をぶつけ合った。最終的にデュランダルに手を下したのはレイだったが、キラが戦いを終結に導く大きな役割を担ったことは間違いない。