鮮やかなビームがより映える!映像も音も最高なドルビーシネマで『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を体感してきた
ビームを中心とした攻撃やエフェクトが映える!
戦闘直後の戦艦アークエンジェルの格納庫内では、モビルスーツの整備を行う環境音が響き、工具の駆動音までも微細に表現。また、ファウンデーションの王宮での謁見シーンでは、硬質な壁で囲まれ、吹き抜け構造の高い天井という場所においては、特徴的なセリフの反響音までも聞くことができ、建物ごとに異なる空間の違いまでも体感することができた。
そうした映像と音響体験は、クライマックスの戦闘シーンではさらなる迫力を見せてくれる。ファウンデーションによる大量破壊兵器レクイエムを用いたオーブへの攻撃阻止、ファウンデーションに呼応したプラントのクーデター軍との戦闘を背景にした艦隊戦とモビルスーツ戦は、映像と音響が奔流のように溢れていく。
ドルビービジョンによる輝度の高い映像に「ガンダムSEED」らしいビームを中心とした攻撃やエフェクトが映え、スピード感がありながらも回り込むように動くカメラワークで映される3Dモデリングされたモビルスーツの動きは、立体映像ではないのに、深い奥行き感を感じさせ疑似的な立体映像的にも見えるシーンがある。またドラグーンなどの遠隔操作武器を使用した攻撃のスピード感や、見ている者の周りを移動するような空間移動音も、ドルビーアトモスの立体音響だからこその臨場感が追加される。
一方、艦船同士の戦闘では、モビルスーツ戦のスピード感とは異なる重厚な音の表現がなされ、宇宙空間を背景にしているからこそのコントラストのハッキリした艦隊戦が繰り広げられる。モビルスーツや艦船による物量が画面を覆い、目まぐるしく状況が切り替わる戦闘シーンの連続となるクライマックスは、情報量が多いからこそクリアで奥行き感のある映像と臨場感の音響が映える。美しい階調のおかげで、スピード感や迫力を感じながらも描き込まれた細部まで見える映像の高精細さも見逃せない。
激戦が繰り広げられる戦場に身を置くような疑似体験をし、『FREEDOM』を楽しみ尽くしたいならば、やはり「ドルビーシネマ」こそがベストの上映環境だと言えるだろう。なお本作のドルビーシネマ版は、丸の内ピカデリーほか全国10スクリーンで上映中。ドルビーシネマが導入されている劇場が少ないのは残念であるが、ぜひともこの極上の『FREEDOM』を体感してほしい。
取材・文/石井誠