A24×Appleで黒澤明監督『天国と地獄』がリメイクへ!デンゼル・ワシントンとスパイク・リー監督が5度目のタッグ
2度のアカデミー賞に輝く名優デンゼル・ワシントンと、『ブラック・クランズマン』(18)などで知られるスパイク・リー監督がタッグを組み、黒澤明監督の名作『天国と地獄』(63)をリメイクすることがわかった。「Variety」など全米の複数メディアが報じている。
エド・マクベインの小説「キングの身代金」を原作にした『天国と地獄』。靴会社の常務である権藤(三船敏郎)のもとに「息子を誘拐した」という一本の電話が掛かってくる。しかし権藤の息子はそこにおり、実際に誘拐されたのは権藤の運転手である青木(佐田豊)の息子だった。犯人からの要求は3000万円。権藤はすべてを失うことを覚悟し、犯人の指示に従い特急こだま号に乗り込む。
数センチしか開かない窓から身代金の入った鞄を落とすという身代金受け渡しシーンや、その後待ち受ける刑事たちと犯人との攻防、犯人の青年・竹内を演じた当時まだ無名だった山崎努の演技。そして映画公開直後に実際に誘拐事件が多発したことなど、様々な点で大きな話題を集めた本作。『踊る大捜査線 THE MOVIE』(98)など複数の映画でオマージュが捧げられ、2007年には日本でテレビドラマとしてリメイク。原作小説もこれまで幾度も映像化されている。
報道によれば、今回制作が進められている作品のタイトルは、『天国と地獄』の英題と同じ『High and Low』。「キングの身代金」の再映画化としてではなく、『天国と地獄』を再解釈したリメイク作品になるとのこと。脚本はリー監督とアラン・フォックスが共同で手掛け、A24と「イコライザー」シリーズのエスケイプ・アーティスツ、そしてマンダレイ・ピクチャーズの共同でApple Original Filmsとして制作。Apple TV+での全世界配信に先駆けて劇場公開もされる見通し。
主演を務めるワシントンとリー監督は、『モ’・ベター・ブルース』(90)、『マルコムX』(92)、『ラストゲーム』(98)、『インサイド・マン』(06)でタッグを組んでおり、今回が5度目のコラボレーション。現在撮影の準備期間で、3月ごろから本格的に制作が開始される。日本でも大きな注目を集めること間違いなしの本作。続報が楽しみだ!
文/久保田 和馬