ライバルであり、互いを高め合う友!『ゴミ捨ての決戦』で激突する烏野と音駒のつながりを振り返る
ライバルであり友、師弟関係でも結ばれる烏野と音駒
音駒高校が烏野高校にとって大きなライバルとして描かれるのは、こうした相対するキャラクターの実力の高さや魅力によるところも大きい。合同合宿などで幾度となく烏野メンバーと過ごし、また切磋琢磨してきた存在として、キャラクター同士の関係性も深められている。
黒尾はミドルブロッカーとして、烏野で同ポジションを務める月島蛍(声:内山昂輝)を気にかける場面も多く、合宿では集中的にリードブロックのテクニックを伝授し、月島にとっては不本意かもしれないが、“師匠”的な存在となっている。このように細やかに描かれてきた関係性が烏野と音駒の直接対決によって実を結び、観る者の心を熱くするドラマへとつながっていくところにも期待が集まる。
さらに、日向にとって研磨は、バレーを通じて出会えた大切な友人であると同時に、“負けたくない相手”だ。研磨もまた、エピソードを重ねるごとに負けず嫌いな性格が見え隠れすることも多くなっていた。“静と動”でありながら、根幹の部分は似通っているこの2人の関係からも、やはり目が離せない。
監督同士の関係性も熱い!
また、なんと言ってもこの「ゴミ捨て場の決戦」をよりドラマチックな試合として印象づけてきたのが、両校の監督たちだ。烏野の前監督である烏養一繋(声:中博史)と音駒の猫又育史監督は中学時代からの知り合いであり、互いにライバル関係だった。それぞれ烏野、音駒に進学し、いつか公式戦で相見えることを誓いながらも叶わず、現役を引退した彼らは、指導者としてその夢を追い続けてきた。物語開始時点で烏養監督は入院しており、監督の任は孫の烏養繋心(声:田中一成→江川央生)に引き継がれることになったが、長きにわたって積み上げられてきた両雄の連関は春高バレーという大舞台で、ついにぶつかり合うことになる。
粘り強く“つなぐ”バレーの音駒と、ほとんどの選手が一斉に攻撃へと参加する烏野。プレースタイルも対照的な両校が、「いつか全国大会で」と約束を交わし合った指導者たちが見守るなかで、どのような戦いを繰り広げるのか?そして、日向や研磨ら選手たちが磨き上げてきた力が、どのように花開くのか――。熱いドラマにあふれた“決戦”をぜひ劇場で見届けよう!
文/藤堂真衣