捜査官の想いとは…『12日の殺人』被害者と容疑者の複雑な背景に迫った人物相関図
3月15日(金)から劇場公開される『12日の殺人』から、未解決事件の被害者と容疑者の複雑な背景に迫った人物相関図と、新たな場面写真が到着した。
本作は、第75回カンヌ国際映画祭プレミア部門出品、第48回セザール賞で作品賞、監督賞、助演男優賞、有望若手男優賞、脚色賞、音響賞と最多6部門を受賞し、第28回リュミエール賞など各映画賞で高い評価を得たサスペンス・ムービー。監督を2019年東京国際映画祭にて観客賞と最優秀女優賞を受賞し、日本公開でも口コミでヒットした『悪なき殺人』(21)のドミニク・モルが務めている。
このたび解禁されたのは、未解決事件の複雑な背景を解き明かす人物相関図。フランス南東の地方都市グルノーブルで、10月12日の夜、帰宅途中の21歳の女子大生クララが何者かに火をつけられ、翌朝焼死体という無惨な姿で発見される。地元警察で班長を後任されたばかりのヨアン(バスティアン・ブイヨン)は、型破りなベテラン刑事・マルソーや個性豊かな刑事たちと共に、クララ殺害事件を捜査することに。クララの親友のステファニーの協力などもあり、クララと交際歴のあったバイト先のウェズリーやボルダリングジムで知り合ったジュール、彼女を「燃やしてやる」というラップを自作していた元カレのギャビ、さらに彼女の墓の前で裸で歌う謎の男などが捜査線に上がっては消えていく。複数の男性容疑者があがる中、彼らはクララと肉体関係があったことが判明。そしてクララと関係を持っていた男たちは、一様にして彼女が奔放な女性だったと語るのだ。生きたまま焼かれ残虐に殺されたクララに対し、捜査班たちは次第に彼女を淫らな女なのではないかと思い始める。結果、容疑者を男性と特定し、偏った捜査を進めることになってしまう。
ドミニク監督は、そんな本作について「男性捜査官が自分の娘やパートナー、女性の友人や姉妹が犠牲になった事件を捜査することになったらなにを思うだろうか?容疑者を、そして被害者をどう見るだろうか? これらすべての要素が彼らにどのような感情を引き起こすだろうか?」と映画を観る人がそういった疑問を抱くきっかけになり、刑事たち及び被害者の葛藤を感じてもらいたいと語っている。
複雑な人間関係を背景に展開する未解決事件とその捜査に翻弄される人々を描いた本作。公開前に相関図をチェックして、その顛末をスクリーンで確認しよう。
文/スズキヒロシ